英国教育工学通信協会(Becta)は5月12日、Microsoft製品の互換性に問題があるとして欧州委員会に苦情を提言したことを明らかにした。同時に委員会が現在実施中の、Microsoftの独禁法違反問題に関する調査の支持を表明した。
Bectaは2007年10月、Microsoftが学校教育の場で、平等な競争を阻害するライセンス手法を取り、また同社製品に互換性がないとして英公正取引局に訴えた。
2008年1月には欧州委員会が、オフィス文書フォーマット「Office Open XML」の競合規格との互換性を含む、Microsoft製品の互換性について正式な調査を開始している。
Bectaはこのほど、欧州委員会と会議の場を持ち、Microsoft製品の互換性が不十分なためにソフトウェアの選択肢が狭められ、購入価格の高騰を含むさまざまなダメージが生じると主張した。Bectaのエグゼクティブディレクターを務めるスティーブン・ルーシー博士は、「互換性を阻害する障壁は、競合他社だけでなく、市場の広範囲にわたって被害を及ぼす」とし、欧州委員会により広範囲な調査を行うよう訴えた。
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