知らない町でも360度の散歩気分──Googleマップ「ストリートビュー」 プライバシー対策は
Googleマップで実際の町並みを写真で見られる「ストリートビュー」。車のナンバーは写さず、人の顔にはぼかしを付けるなどしてプライバシーに配慮したという。不適切な写真を通報できる仕組みも備えた。
グーグルは8月5日、「Googleマップ」で、指定した場所の町並みを写真で見られる「ストリートビュー」機能を公開した。東京、大阪など主要12都市の一部について、街路を360度の写真で確認でき、事前に待ち合わせ場所を確認したり、旅行で行きたい場所を見るといったなどの使い方が可能だ。
ただ、既に公開した米国ではプライバシー問題が指摘されており、人の顔にぼかしを入れるなどの対策を導入している。日本版でも顔にぼかしを入れ、車のナンバーを写さず、公道から撮影した写真だけを使う──などして「プライバシーに配慮する」としている。
Googleマップで、地図上の「ストリートビュー」アイコンをクリックすると、ストリートビューに対応している道路を青く表示。地図をクリックすると、その地点の町並みを写した写真を吹き出しで表示する。
画像をドラッグすれば滑らかに視点の向きが変わる。見上げたり、左右を見たり、見下ろしたり──と、実際にその場に立ったようにして町並みを360度確認できる。写真に重ねて表示される矢印をクリックすればその方向に進むことができ、実際の町並みを散歩しているような感覚だ。
画像データは、360度のパノラマ撮影ができるカメラを搭載した車で、町を巡って撮影しているという。ただ、車の詳細などは非公開としている。
1つの都市を全てカバーするのには数カ月かかるという。まず東京や大阪、京都、横浜など全国の主要12都市の一部をカバーし、今後対応エリアを拡大させていく予定だ。
写真はブログに張り付けることができる。APIも公開した。不動産サイトがAPIを使い、物件や周辺の様子を確認できるようにする――といった使い方を想定している。
「プライバシー配慮する」
同サービスをめぐっては、町で自動的に撮影したデータを使用しているため、人が意図せず写り込むことなどでプライバシー侵害につながる可能性があることが指摘されている。
同社の河合敬一プロダクトマネージャーは「公道から撮影した写真を公開するのは構わないと考えているが、プライバシーには配慮する」と強調する。車のナンバーは写さないようにし、写り込んだ顔が個人を識別可能な場合には、自動顔認識技術によりぼかしを入れた上で公開しているという。
だが「個人の顔が識別できるのにぼかしが入ってない」――など、不適切な写真が公開されている場合に、ユーザーが通報する仕組みも備えた。専用の投稿フォームから、不適切な理由とその部分を通報する。自宅や表札などを公開されたくないといった要望が寄せられれば、写真を取り下げたり、その部分だけを黒くするなどして対応するとしている。
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