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壁に手裏剣、巻物に会社案内――「NINJA TOOLS」のサムライファクトリーに行ってきた(2/2 ページ)

壁に突き刺さる手裏剣。「お納めください」と手渡される巻物。時代劇のセット……ではない。コンセプト居酒屋でもない。「NINJA TOOLS」で知られるITベンチャー・サムライファクトリーのオフィスだ。

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名刺は社員ごとに異なるデザイン

 巻物風の会社案内を作ったのは「すぐに捨てられるのではなく、見せびらかしたくなるようなものにしたかった」から。「サムライファクトリーらしさを表現している。次回は掛け軸風にしようかな。オフィスに床の間があれば、ぜひ飾ってほしい」

 社員が自分らしさを表現することを重視し、名刺も自分でデザインさせるため、紙や文字の色、描かれたイラストなど社員ごとに異なる。3カ月ごとに名刺のデザインを変えている社員もいるという。

「まず作ってみることが大切」 ビジネスモデルは後でいい

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漫画チャット

 オフィスのレクリエーションルームには、社員が持ち寄った漫画が数百冊並ぶ。社員はみんな漫画好き。趣味を生かし、8月に「漫画チャット」という変わったサービスを始めた。

 キャラクターを選び、テキスト入力すると、漫画のコマの中に自分のキャラクターのイラストと吹き出しが現れ、吹き出しの中にテキストが表示される。次の発言は次のコマに、その次の発言はその次のコマに――と、発言の度にコマが埋まり、全コマが埋まると次のページに進む。チャットするだけで漫画が完成していく、というイメージだ。

 「チャットサービスは廃れてきたが、何か日本の文化と組み合わせたらすごいものができるんじゃないか?」――社長のそんな一言が開発のきっかけ。漫画好きの社員が多かったため、チャットと漫画を組み合わせることにした。

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レクリエーションルームにある漫画だらけの本棚

 漫画チャットを開発した野島麗香ディレクターは「文字を打ち込むだけで漫画ができたら絶対面白い、絶対流行るという確信があった」と話す。ビジネスモデルを考えずに開発したが「ユーザーが集まれば、その先に収益を得る方法があるはず」と自信満々だ。

 大柴経営企画室長も「盛り上がっているときに“待て”をかけるのも面白くないし、まず作ってみることが大切。先にビジネスモデルを考えてると、機会を逃すかもしれない。サムライファクトリーでは、根拠のない自信に基づいて突っ走る」と話す。NINJA TOOLSも「絶対いけるという自信から始まった」という。

キャラも社員が描きました

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上から、大柴貴紀経営企画室長、デザイナーの清水瑠衣さん、野島麗香ディレクター

 漫画チャットのキャラクターのイラストも、同社の社員数人で描いた。縦じまのエプロンを付けたカバや着ぐるみのうさぎは、漫画チャットのデザイナー・清水瑠衣さんの作品。漫画を描くためのトレース台も購入した。

 ユーザーが描いたイラストをアップロードし、チャットで使うこともできる。「漫画が好きな人が自分のイラストを発表する場になれば」(野島ディレクター)

 公開して約1週間で数千人が登録した。ユーザーからは「ありそうでなかった」「文字だけでは伝わらないことも、漫画を使えば伝わる」といった声も寄せられた。

 機能追加も進める予定だが詳細は「今後のお楽しみ」。野島ディレクターは「世界中のユーザーに使ってもらえるようになれば」と野望を描く。

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