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フェアユースの議論、権利者も参加させて――権利者7団体が知財戦略本部に要望
「権利者不在のままコンテンツの活用ばかりに話が及ぶとすれば、公平さに欠けている」――JASRACなど権利者7団体は「日本版フェアユース」に関する議論に権利者の代表者を参加させるよう、政府の知財戦略本部に要望書を提出した。
日本音楽著作権協会(JASRAC)など権利者7団体は10月1日、「日本版フェアユース」に関する議論に権利者の代表者を参加させるよう、政府の知的財産戦略本部に要望書を提出した。「権利者不在のままコンテンツの活用ばかりに話が及ぶとすれば、公平さに欠けている」と批判している。
日本版フェアユースは、ネット時代に対応したコンテンツ産業の振興を図るための包括的な権利制限規定。知財戦略本部に設置された「デジタル・ネット時代における知財制度専門調査会」で法制化に向けた議論が進められている。
7団体によると「フェアユースの法制化に向け、10月をめどに調査会でとりまとめが行われると聞いたが、法制化で大きな影響を受ける権利者の代表者が、調査会に参加していないばかりか、権利者やその関係者に対する意見の聴取すら行われていない」という。
その上で「『創造』『保護』『活用』は知財計画の重要な柱と認識しているが、権利者が不在のまま『活用』ばかりに話が及ぶとすれば、はなはだ公平さに欠けた運営と言わざるを得ない」と批判。同調査会や、ほかの調査会に権利者の代表者を参加させるよう要望している。
7団体は、JASRACのほか日本芸能実演家団体協議会、日本レコード協会、日本音楽事業者協会、音楽出版社協会、音楽制作者連盟、日本音楽作家団体協議会。
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