都内の「ゲリラ雷雨」、77%を事前予測 ユーザーリポート活用で
ウェザーニューズは、予測不可能とされている「ゲリラ雷雨」を、ユーザーの天気リポートを活用して高精度に予測することができたと発表した。
ウェザーニューズは10月6日、予測不可能とされている「ゲリラ雷雨」を、ユーザーの天気リポートを活用して高精度に予測することができたと発表した。最も精度が高かった東京都内では、7月30日から9月15日に起きたゲリラ雷雨のうち76.7%(172回のうち131回)予測できたという。
ユーザーから報告された強い雨のうち、当日朝の時点で予測できなかった雷雨を「ゲリラ雷雨」と定義した。ゲリラ雷雨をもたらす雷雲は、急速かつ局地的に発達するため、従来の気象レーダーやアメダスの観測ではとらえ切れなかったという。
従来の気象レーダーでは雨雲が高度2キロ以上に達して初めて確認できるが、この時点では発生から10分以上経っており、すでに雨を降らせている可能性が高く、その数分後には激しい雷雨をもたらすという。防衛隊員の目視なら、2キロ以下の雨雲も確認できる
予測に使ったのは、気象レーダーなどの観測データに加え、全国に1万人以上いるという「ゲリラ雷雨防衛隊員」のリポート。ゲリラ雷雨の可能性がある気象条件がそろった場合、その地域の防衛隊員にメールを送り、現在の天気や雲のある方角、雷鳴の有無、湿気などの肌感覚、写真などを送信してもらった。「10分天気予報」(月間100万ユニークユーザー)ユーザーからの気象リポートも活用。発生を予測した場合、ユーザーには携帯メールで注意を促した。
7月30日〜9月15日に発生したゲリラ雷雨に対し、事前に予測できたケースは、防衛隊員の人数が特に多い東京都では76.7%。注意メールは平均で発生の38分前に送信できたという。
大阪府では62.5%(メール配信は平均8分前)、愛知県では63.9%(同19分前)、福岡県では71.7%(同29分前)が予測できていた。10キロ平方メートル以内に防衛隊員が150人以上いる場合、平均で90.9%の高率で予測でき、メールの平均送信時間は62分前だったという。
関連記事
- 局地的な豪雨を事前にメールでお知らせ「ゲリラ雷雨メール」
ウェザーニューズは、局地的な豪雨の発生を予測して、事前に携帯メールで知らせてくれるサービス「ゲリラ雷雨メール」を開始した。ユーザーからの気象観測リポートをもとに、突発的な“ゲリラ雷雨”を事前に予測するという。 - ユーザーリポートで台風進路予測に成功 ウェザーニューズ
ウェザーニューズは、ユーザーから寄せられた気圧情報を元に、台風の進路をリアルタイムに予測したり、風雨の強弱などを詳細に解析することに成功した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.