GDH、経営再建へアニメ作品絞り込み 制作ラインのリストラも
GDHがアニメ事業の大幅スリム化を発表。現在は年間8作品程度を制作しているが、今後は制作ラインを一部売却するなどし、社内制作は年間4作品程度に絞り込む。
GDHは11月10日、アニメ事業を大幅にスリム化すると発表した。今後は制作ラインを一部売却するなどし、確実に投資回収が見込める作品を厳選して社内制作を年間4作品程度に絞り込む。同日、2009年3月期の連結業績予想を下方修正し、最終赤字が前回予想の3億3900万円から5億8100万円に悪化する見通しだ。
同社はDVD販売の不振などから2期連続の最終赤字と債務超過に陥り、投資ファンドが資本参加して経営再建を進めている。「来期以降確実に収益を確保するため」として、アニメ事業のスリム化など、構造改革を断行する。
アニメ事業は企画・開発体制を見直す。現状は社内4スタジオと協力会社への外注で8作品程度を制作しているが、今期中に制作部門を1つに集約、社内では年間4作品程度を厳選して制作する。
既存制作ラインの設備と人員などの一部は、別会社への売却・転籍を検討する。「筋肉質な経営体質を実現するとともに、固定費の変動費化により、柔軟な外注制作対応も行えるようになる」としている。
「現在の高コスト体質を生じさせた経営責任を明確にする」として経営陣の役員報酬カットを継続するほか、拠点の統廃合を含めてコスト削減を徹底、社用車の売却や広告宣伝費の見直しなどを実施する。
経営の効率化に向けて子会社事業を見直し、100%子会社・ゴンゾと重複している間接業務の解消を図り、組織の統廃合を検討する。本業のアニメとオンラインゲームに集中するため、ファンド運営などの周辺事業の整理も検討する。
社名も「創業の原点に返り『GONZOブランド』をそのまま会社名として全社員の求心力を高めることも検討する」という。
下方修正は、構造改革に伴い新規タイトルを見直したことなどが響いた。
関連記事
- GDHを投資ファンドがTOB
GDHは、投資会社・いわかぜキャピタル傘下の投資ファンドが行う同社株式の公開買い付け(TOB)に賛同したと発表した。 - 竜の子アニメのオンラインゲーム化も タカラトミー、ゴンゾロッソに出資
タカラトミーがゴンゾロッソに約8億円出資し、株式の15.43%を取得した。共同でオンラインゲームの開発を進める。 - GONZO新作アニメ、YouTubeで海外向け無料配信 「ファンサブ」阻止狙い
GONZOは「ドルアーガの塔」などを、日本でテレビ放送した同日中に、海外向けにYouTubeで無料公開する。人気アニメは、日本での放送直後に、海外のファンが「ファンサブ」と呼ばれる字幕付きでネット上に違法公開していた。字幕付きアニメを公式配信することで、ファンサブ阻止を狙う。 - DVDが売れない時代のアニメビジネス GDHに聞く
アニメDVDの販売不振が、日本のアニメビジネスに変革を迫っている。YouTube活用や次世代DVD対応、携帯電話へのコンテンツ配信――次に“来る”ビジネスは何か、模索が続く。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.