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NASA、「深宇宙インターネット」の実験に成功

宇宙船と地上を結ぶ「惑星間ネットワーク」でデータを転送するデモを行った。

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 米航空宇宙局(NASA)は11月18日、インターネットをモデルにした初の深宇宙通信ネットワークのテストに成功したと発表した。

 この「惑星間ネットワーク」デモは先月開始され、地球から約2000万マイル(3219万キロ)のNASAの宇宙船、地上のジェット推進研究所にあるシミュレーション版の火星探査機や軌道衛星など10カ所のノード間で数十枚の宇宙の画像を転送した。

 このネットワークには、「Disruption-Tolerant Networking(DTN)」というソフトウェアプロトコルを採用している。NASAと「インターネットの父」ビント・サーフ氏が10年かけて開発したもので、通常のインターネットプロトコル「TCP/IP」とは異なる手法で情報を送信する。

 TCP/IPは接続が途切れないことを前提としているが、DTNはそのような前提には立っていない。宇宙での通信では、宇宙船が惑星の裏側に入ったときなどに遅延が生じる可能性があるからだ。DTNは送信先への経路が見つからない場合は、データパケットを破棄せずに、ネットワークノードで保持する。ネットワークノードはほかのノードとの接続が確保できるまで、できるだけ長くデータを保持する。これにより、送信先への経路がすぐには確保できなくても、情報が失われることがないという。

 「現在は宇宙でデータを送る場合は、どのデータをいつどこへ送るのかを手動で設定しなければならない。DTNによってすべてを自動的に実行できるようになる」とDTN実験センターのマネジャー、ライ・トーガソン氏は言う。

 2009年夏には、新しいDTNソフトを国際宇宙ステーション(ISS)に導入して次のデモを行う予定。

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