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「まねきTV」は適法 知財高裁、テレビ局側の控訴を棄却
「まねきTV」のサービス差し止めをテレビ局が求めていた訴訟の控訴審で、知財高裁もサービスを適法と判断。テレビ局の請求を棄却した。
日本のテレビ番組を海外からインターネット経由で視聴できる永野商店のサービス「まねきTV」が、テレビ局の著作権(公衆送信権、送信可能化権)を侵害しているとして、NHKと在京キー局5社がサービス差し止めと損害賠償を求めていた訴訟の控訴審で、知財高裁は12月15日、サービスを適法とした東京地裁の判決を支持し、テレビ局側の請求を棄却した。
まねきTVは、ソニーの「ロケーションフリー」(ロケフリ)機器を使ったサービス。ロケフリ用ベースステーションを個人ユーザーから預かり、設定済みの端末「エアボード」を使って海外出張先などから番組を視聴できるようにする。
一審判決で東京地裁は、ベースステーションはあらかじめ設定した端末との1対1の送受信だけが可能で、不特定多数への送信は行えないなどの点から「公衆送信装置」と言えず、永野商店の行為も送信可能化に当たらないとし、原告の請求を棄却。知財高裁もこの判決を支持した。
まねきTVをめぐっては2006年、NHKと在京キー局5社がサービスの差し止めを求めた仮処分を東京地裁に申し立てたが棄却。知財高裁の抗告審も東京地裁の決定を支持し、申し立てを棄却している(テレビ局を震撼させた「まねきTV裁判」の中身)。
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