Lenovo、デュアルディスプレイの「ノートPC」発表へ
Lenovoが2009 International CESで発表する「Lenovo ThinkPad W700ds」はディスプレイを2つ搭載。17インチのメインディスプレイの内側に10.6インチディスプレイを格納する。
中国のLenovoは1月5日に開幕する2009 International CESで、ディスプレイを2つ搭載したモバイルワークステーション「ThinkPad W700」の新モデルを発表する。2番目のディスプレイは10.6インチ液晶搭載。ユーザーはデュアルスクリーンをサポートしたワークステーションノートPCを手にすることになる。
新モデル「Lenovo ThinkPad W700ds」の「ds」は「デュアルスクリーン」のこと。CESの冒頭でデビューする。LenovoはCESで正式発表を行う予定だが、Engadgetなどのサイトには12月18日から19日にかけて、同モデルについての詳しい情報が掲載された。
Lenovoは8月に17インチディスプレイを1つ搭載したオリジナルのW700ワークステーションを発表した。両モデルとも、プロの写真家、グラフィックアーティスト、CADユーザーなどをターゲットとしている。
ThinkPad W700dsは画面が2つあるだけでなく、45ナノメートルプロセスで製造された2.26GHz版のIntel Core 2 Quadプロセッサ搭載で価格を抑えたオプションも提供する。先に発売された最初のThinkPad W700は、Intel Core 2 Extreme X9300のみの搭載だった。
新モデルでユニークなのは、メインディスプレイに水平に取り付けた10.6インチのWXGAディスプレイ(768×1280ピクセル)だ。2番目のディスプレイはミニノートやNetbookに搭載されているディスプレイほどの大きさで、これがあるため本体はW700より約10ミリ厚くなった。
狙いはユーザーがオフィスで使っているデュアルディスプレイを、自宅や外出先でも使えるようにすることだと、Lenovoのセグメントマネジャー、ウェス・ウィリアムズ氏は説明する。
「プロの写真家であれほかの分野であれ、高性能コンピュータのユーザーはみんなデスクトップでディスプレイを2台使っている。われわれが狙ったのは、それと同じことができるモバイルワークステーションを開発することだ。優れたディスプレイ、優れたグラフィックス、優れたプロセッサ、RAID HDDを備えたワークステーションが必要なだけにとどまらず、シングルディスプレイモードに戻るのは難しい」(ウィリアムズ氏)
ThinkPad W700dsの開発に当たり、Lenovoは2番目のディスプレイについて4〜5種類の設計コンセプトを検討した後、ウィリアムズ氏が「ポケットドア」と呼ぶ仕様に落ち着いた。これにより、スプリング式の2番目のディスプレイをメインディスプレイの内側に格納することが可能になった。
この設計により、ワークステーション本体の重さや厚さを大幅に増やすことなく、引き続きコストを抑えることが可能になった。2番目のディスプレイによって増した本体の重量は約2ポンド(約907グラム)。標準的なデスクトップワークステーションのデュアルディスプレイ構成を再現するため、2番目のディスプレイは30度傾けられるようにした。
Lenovo ThinkPad W700の現在の価格は最もベーシックなモデルで約2500ドル。2番目のディスプレイが付くと約500ドル増しになる。正式な小売価格はまだ決まっていない。
Lenovo ThinkPad W700dsの仕様はW700と同じで、NVIDIA Quadro FX 3700Mグラフィックスプロセッサと8GバイトのDDR3メモリを搭載し、RAIDで設定できるHDDを2基内蔵している。電力消費は約75ワットで、バッテリー持続時間は約2時間。画面の明るさを半分にすれば、バッテリー持続時間は3.5時間に延びる。
ThinkPad W700も3つのビデオポートでデュアルリンクDVI(Digital Video Interactive)とDisplayPort、VGAをサポートし、ドッキングステーションを使えば複数のディスプレイを利用できる。
Lenovo W700dsはMicrosoft Windows XPとVistaの各バージョンをサポートし、将来的にはWindows 7に対応する。LenovoはRed HatとUbuntuを含むLinux OSもサポートしている。
関連キーワード
レノボ | ThinkPad | モバイルワークステーション | CES | マルチディスプレイ | Core 2 Extreme | 45nmプロセス | Core 2 Quad | ノートPC
関連記事
- 色調整機能とデジタイザを内蔵した“究極”モバイルWS──「ThinkPad W700」発表
レノボ・ジャパンは、自ら「近年加速している」というモバイルワークステーション市場に、機能満載の巨艦モデルを投入する。「75万円超」という驚異の価格とともにその機能を紹介する。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.