パナソニック、テレビ用パネル投資額を削減 VIERAラインアップは大幅増強
テレビ需要の世界的な鈍化を受け、パナソニックがテレビ用パネル投資を圧縮。新工場向け投資額を当初から1350億円減らして4450億円にする。一方でテレビ事業での攻勢はゆるめず、09年度の販売台数目標は前年度比50%増を見込む。
パナソニックは1月9日、2012年までのテレビ用PDP、液晶パネルの総投資額を圧縮し、当初計画から1350億円減らして4450億円にすると発表した。世界的な不況で薄型テレビ需要が鈍化しており、生産能力の増強を見直す。ただ、薄型テレビ事業での攻勢はゆるめず、09年度の販売台数目標は1550万台と、前年度比50%増となる強気の計画で臨む。
兵庫県内に建設中の2つの新工場について、投資額を抑える。尼崎市のPDP第5工場は当初計画から700億円減の2100億円に、液晶生産子会社・IPSアルファテクノロジーの姫路工場は650億円減の2350億円とし、総額を4450億円に圧縮する。
尼崎新工場は今年5月、姫路新工場は来年1月の稼働開始を目指していた。稼働開始時の生産能力は、尼崎で当初計画の3分の1、姫路で5割程度となる見通し。当初は尼崎で3期、姫路で2期に分けていた増強計画は、それぞれ4期、3期に細分化してほぼ単年度ベースとし、投資判断を市場変化に対応しやすいようにする。
薄型テレビでトップを目指していく方向性に変化はなく、大坪社長は「民生用テレビの世界需要が2億台とすると、シェア20%は4000万台。内訳のプラズマ2000万台、液晶2000万台は、投資圧縮後でもほぼ確保できる」としている。
「VIERA」基本モデルを倍増
景気の急速な悪化を受け、薄型テレビ世界市場の成長率は08〜09年、台数ベースで年率20%程度にとどまる見通し。だが大坪社長は「市場の減速に対応しつつ、業界以上の成長を目指す」として攻めの姿勢で臨む。
薄さが特徴の次世代型PDP「NeoPDP」を搭載した製品を年内に発売するなど、基本性能の向上を進めながら、「VIERA」のラインアップを増強。基本モデルは現在の4から8に倍増、機種数を大幅に増やす計画だ。
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