パナソニックは11月27日、2009年3月期の連結業績予想(米国会計基準)を下方修正し、純利益が当初予想の90.3%減となる300億円にとどまる見通しだと発表した。世界的な景気後退と想定を超える円高が響き、経営環境が急激に悪化しているという。
修正後の予想は、売上高が当初予想から7.6%減の8兆5000億円、営業利益が39.3%減の3400億円、税引き前利益が80.0%減の1000億円。前期比で減収減益に転じる見通し。
景気悪化と円高に加え、株式市況の悪化による保有株式の評価損計上と構造改革の実施による損失計上を見込み、下方修正する。
電機各社はソニーやシャープなどが相次いで業績予想を下方修正しており、“勝ち組”と見られていたパナソニックの修正で、業界全体が苦境に陥っている現状がはっきりしてきた。
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