パイオニアは2月12日、プラズマテレビなどディスプレイ事業から完全撤退すると発表した。販売中の商品を最後に自社開発を中止し、来年3月までに撤退。経営資源はカーエレクトロニクス事業などに振り向ける。
「市場変化は想定を大きく上回っており、このままでは損益改善を見込めない」と判断した。アフターサービスは続ける。
光ディスク事業は、合弁も視野に入れた損益改善策を進める。今後のホームエレクトロニクス事業は、オーディオ、DJ機器、CATV関連機器に絞って展開。「音にこだわりを持ち、新たな事業領域にも積極的に取り組んでいく」という。
事業体制をスリム化も発表。全世界で約6000人の従業員と、約4000人の派遣・請負社員を削減する。国内外の生産拠点を集約し、30社ある生産会社は3割削減。本社機能、研究開発機能も見直し、損益改善を目指す。
同社は同日、2009年3月期通期の連結業績予想(米国会計基準)を大幅に下方修正した。売上高は従来予想比1400億円減の5600億円、営業損失は520億円拡大して690億円、税引き前損失は560億円拡大して1100億円、最終損失は520億円拡大して1300億円。景気悪化や円高の影響を受けた。
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