LenovoがThinkPadの耐久性を強化、パナソニックやDellに対抗
ThinkPadシリーズの8つのモデルは数々の「拷問テスト」を突破し、パナソニックのTOUGHBOOK同様に米軍規格を満たす。
中国のLenovoは耐久型(セミラグドおよびラグド)ノートPCの市場でパナソニックや米Dellなどの競合他社に対する競争力を高めるべく、ThinkPadシリーズのノートPCにさまざまな「拷問テスト」を実施し、その耐久性の高さを証明した。テストでは、ThinkPadをオーブンに入れて高熱を加えたり、激しい温度差を経験させたり、大量のほこりを吹き掛けたり、激しく揺さ振ったりなど、さまざまな過酷な条件が試されたという。
その結果、ThinkPadシリーズの「X200」「X301」「X200s」「X200 Tablet」「T400」「T500」「R400」「SL300」の8つのモデルが、加圧、湿気、温度、粉塵、振動などの点で、米軍の8つの規格を満たしたという。パナソニックのTOUGHBOOKノートPCラインも、こうした米軍規格や工業規格を満たしている。
Lenovoによると、米軍の8つの規格テストに合格したことで、これらのノートPCは車両や野外作業での使用に適した「セミラグドPC」として認められることになるという。野外での作業に従事する顧客の多くは、ノートPCが正式にそうしたテストに合格していることを重視するものだ。
Lenovo ThinkPad T400は小売価格が1350ドルから。オプションで輝度680カンデラ毎平方メートルの高輝度パネルを搭載でき、ディスプレイに直接太陽光が当たるなどの明るい周囲条件において可視性を高めることが可能だ。
オフロードや建設現場など、各種の野外作業に従事する企業顧客は、一般的なオフィスワーカーと比べて、不注意でノートPCを落としてしまう危険性が高い。そのため、耐久型ThinkPadには、PCが落下した場合に備えて各種の対策が内部に施されている。
例えば、Active Protection Systemもその1つだ。これは、ThinkPadが突然落下した場合にエアバッグのようなシステムでHDDを包み込むというシステム。ほかにも、HDDには緩衝材が取り付けられ、またキーボード下には約60mlまで水気を除去できる仕組みが組み込まれ、水やコーヒーをこぼしても大丈夫なようになっている。またThinkPad X301では、内部コンポーネントの周りにRoll Cageと呼ばれる保護フレームが採用されている。
市場では、セミラグドノートPCやラグドノートPCに対する注目が高まっており、パナソニックも先日TOUGHBOOKノートPCラインのリニューアルを発表したところだ。DellもLatitudeノートPCラインでラグドノートPC市場に参入している。
こうした耐久型PCは価格が比較的高めだが、「どんな状況にも対応できる堅固なノートPC」を必要としているのは、軍事、石油、医療、土木、現場といった分野の顧客であり、そうした業界は概ね、高めの価格にも対応できる。
「この市場はどちらかと言えば特殊な業種を対象にしているが、そうした業種の大半は資金が潤沢だ。顧客企業に1台当たり800ドルの予算で1000台のノートPCを販売する、といったビジネスとはまた別の話だ。3000〜4000ドルのマシンを売るのであれば、販売台数がそれほど多くなくても十分にもうけを出せる」とPund-IT Researchのアナリスト、チャールズ・キング氏は取材に応じ、語っている。
バラク・オバマ米大統領が先日署名した景気対策法も、この市場にとっては後押しとなりそうだ。この景気対策法の影響で今後、ヘルスケアITや建設、土木などの分野に多くの資金が注がれることが予想されるからだ。
「道路や橋の建設、土木作業が数多く実施されることになるだろう。この市場の事業は向こう数年間は好調に推移するだろう」とキング氏は語っている。
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