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素粒子研究のデータをグリッドで解析 IBMの新システムが高エネ研で稼働
日本IBMが構築した、素粒子や宇宙研究に必要な大量のデータを解析する共通情報システムが、高エネルギー加速器研究機構で本格稼働した。
日本アイ・ビー・エムは3月19日、高エネルギー加速器研究機構(KEK)に設置した、素粒子や宇宙研究に必要な大量のデータを世界中のグリッドシステムで解析する共通情報システムが本格稼働したと発表した。
KEKは、粒子加速器を使った宇宙や素粒子などを研究する研究機関。新システムは主に、大強度陽子加速器施設(J-PARC)から収集したデータの解析に活用。メールやWebシステムなど、研究者を支援する情報インフラとしての機能も提供する。
欧州合同原子核研究所(CERN)が整備を進めているグリッド環境の基礎技術と、米国エネルギー省の研究所とIBMが共同開発した階層型ストレージ管理ソフトを連携させることで、サーバー資源とストレージ資源をそれぞれ効率的・ダイナミックに共有し、ペタバイト級のデータの解析をシームレスに実現できる環境を整備した。
高エネルギー物理学の分野では、国際的に連携して実験装置を建設し、それぞれを協調させることで、大量のデータ解析が行われている。離れた場所にある複数のデータをどこからでも共有できるデータグリッドは、データ解析環境の構築に有望な技術として注目されているという。
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