KDDI、09年度の携帯端末販売は1000万台目標 新端末で大台維持に注力
KDDIは2009年度の携帯電話端末販売数見通しを1000万台に設定。急減した前年度をさらに下回るが、携帯市場の縮小は当面続く中、新端末投入で1000万の大台維持を目指していく。
KDDIは4月23日、2009年度(2010年3月期)の携帯電話端末販売数見通しを1000万台としたことを明らかにした。2008年度は前年度から約500万台減の1081万台に落ち込み、09年度見通しはさらにこれを下回る。携帯市場の縮小は当面続く見通しで、小野寺正社長は「1000万台も正直、かなり厳しいかもしれない」としつつ、「メーカー、販売店含めこれが1つの水準だろう」と1000万の大台維持に注力する方針だ。
08年度は当初1440万台と予想していたが、新販売制度の影響などから前年度比で32%減に落ち込んだ。端末在庫も積み上がり、08年度は端末の評価減・廃棄損として65万台分・257億円を計上(前年度は4万台・19億円)。08年度末の端末在庫数は169万台と、前年度末の131万台から38万台増えたが、そのうち評価減済みの端末が36万台あるため、実質的に前年度並みの水準には戻した。
09年度も厳しい市場環境が続く見込みで、販売見通しも前年度を下回る水準に設定した。08年度1〜3月期は春モデル効果で「ある程度の台数が出た。努力すればある程度は出せるのではと期待している」と小野寺社長は話す一方、「楽観的にはなれない」という認識。
大台の維持に必須なのは、ユーザーを刺激する優れた端末だ。このほど発表した新デザインブランド「iida」も含め、「かなりいい端末が出せると思っている」。期待通りの性能が出なかったKCP+も「iidaを見れば分かる通りほぼ問題は解消し、機能・スピードで他社に劣らない」という。投入する機種数は08年度並みを計画している。
販売台数減に苦しむ端末メーカーに対しては「われわれがコスト負担しているKCP+が支援そのもの」だが、一部では「08年度末に09年度分を先に引き取ったものもある」という。販売店に支払う販売手数料(コミッション)の平均単価は08年度に3万9000円だったが、09年度は3万6000円を見込む。一方、拡販に力を入れるFTTHサービスの販売に手数料を手厚くすることで販売店を支援していく方針だ。
09年度も増益見通し
同日発表した2009年度連結業績見通しによると、営業利益予想は前年度比6.0%増の4700億円。販売手数料削減で携帯電話事業の増益を見込む上、固定通信事業で赤字幅が改善する見通し。
売上高に当たる営業収益は0.5%減の3兆4800億円、経常利益は2.2%増の4500億円、純利益は14.5%増の2550億円を見込む。
2008年度の連結決算は、営業収益が前年度比2.7%減の3兆4975億円にとどまったものの、販売手数料減で営業利益は10.7%増の4432億円だった。経常利益は8.0%増の4405億円、純利益は2.3%増の2227億円。
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