「機能競争は終わった」と小野寺社長 新ブランド「iida」で「次の競争」へ
「携帯電話は機能競争から次の競争に」――KDDIの小野寺社長は、auの新デザインブランド「iida」で、2台目、3台目需要を開拓すると語る。
「携帯電話の機能競争は終わった。革新性のある試みで、次のステップに進みたい」――KDDIの小野寺正社長は4月7日、同日発表した、新デザインブランド「iida」について「ものすごい期待を持っている」と語った。
iidaは、同社の20〜30代の若手社員が中心に企画したというデザインブランドで、「innovation」「imagination」「design」「art」の頭文字から取った。外部デザイナーと協力し、個性的なデザインの端末や周辺機器などを、4月下旬から順次発売する(→新端末の写真リポート)。
携帯電話の国内普及台数が1億台を超え、成長は頭打ち。新販売制度の導入で端末価格が上がり、買い換えサイクルも長期化する中、auは特に苦戦を強いられてきており、「昨年は厳しい1年だった」と小野寺社長は振り返る。
iidaブランドで実験的かつ多彩なデザインの端末を投入し、多様化するユーザーニーズの探知機にしていく。「デザインのau」のイメージを回復させ、次の成長につながるステップとしたい考えだ。
「携帯電話は次の競争に入る。今後は時計や眼鏡と同様、場所に適した端末を持つ時代が来る」と小野寺社長はみており、ユーザー個々のライフスタイルに合った多様な端末を投入することで、2台目、3台目需要を開拓する。
iidaを「デザインプラットフォーム」に 多様な商品展開
第1弾端末の「G9」は、スタイリッシュな端末を「道具」として使いこなしたいビジネスマンなどがターゲット。機能性よりもデザインを重視したアーティストコラボレーションモデルも投入するほか、部屋のインテリアと溶け合う周辺機器や、携帯電話専用プロジェクターといった先進的な周辺機器も発売していく。
ハイエンド端末のみを投入してきたau design projectと異なり、iidaはロースペックの端末や周辺機器もカバー。端末だけでなく「ユーザーの暮らしもデザインする」としている。「iidaは1つのデザインプラットフォームとして、さまざまなデザイナーと協力していく」(高橋誠コンシューマ事業統轄本部長)予定。au design projectはiidaに吸収する。
端末開発費の高騰がメーカーの負担になっているとされているが、小野寺社長は、「お金がかかるのはソフトの開発。iidaはソフトなどは既存のものを使い、デザインで差別化するため、大きな負担にはならない」という認識を示した。
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