不況下のネット通販は「単価減、数量増」 アフィリエイトから見る消費動向
不況下のネット通販は、1点あたりの購入単価が下がる一方、購入する商品数が増える傾向にあるという。
不況下のネット通販では、1点あたりの購入単価が下がり、購入点数が増える――アフィリエイトネットワークを運営するリンクシェア・ジャパンは、自社ネットワークに参加するECサイトの動向からこう分析した。
同社のアフィリエイトネットワークには約300社が参加しており、「Sony Style」「ユニクロオンラインストア」「イトーヨーカドーネット通販」など大手サイトも多く含まれている。利用者の購入傾向を分析すると、不況時代のネット通販の状況が見えてくると、同社の花崎茂晴前社長(4月24日に退任)は話す。
同社のアフィリエイトネットワークを通じて売れた全商品の平均単価は、2006年度〜08年度にかけて低下。特に、不況に突入した08年度に急落している。その一方で、1購買当たりの購入アイテム数は増加。06年は約2個だったが、07年には約2.7個に増えている。
花崎社長は「不況下で消費者は価格に敏感になっている」と指摘。送料が無料になる金額まで購買個数を増やすことで、「送料を節約しているのだろう」と推測する。
加えて、消費者はサイト別の“お得度”を比較してから購入する傾向が強くなってきたという。ポイント還元サイト経由でECサイトを訪れる人のうち、実際に商品を購入する人の割合が減少。「ポイントサイトのユーザーも、よりお得なサイトを探し、比較しながら購入している」と花崎社長は分析した。
同社は4月24日に社長が交代した。2005年の創業時から社長を務めていた花崎氏は退任し、親会社・三井物産のネットマーケティング関連事業責任者に就く。新社長は三井物産でネット事業に従事してきた津田圭吾氏。
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