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倉本聰さんなど174人、「Googleブック検索」和解案を拒否
「Googleブック検索」をめぐる和解案について、倉本聰さんや谷川俊太郎さんなど日本の著作権者174人が拒否を表明していることが明らかになった。
書籍全文検索「Googleブック検索」をめぐる訴訟で、Googleと米国の作家が合意した和解案が日本の著作権者にも及ぶ問題で、倉本聰さんや谷川俊太郎さんなど日本の著作権者174人が和解案の拒否を表明していることが、25日までに明らかになった。
拒否を表明しているのは、日本ビジュアル著作権協会会員の174人で、小説家のねじめ正一さんや言語学者の池上嘉彦さん、舞台家の妹尾河童さんなども含まれている。同協会は和解案を詳細に検討した上で、会員に和解に同意しないよう勧告をしたという。
同協会は、「和解案についての公告が日本で掲載されたのは今年2月下旬。回答期限の5月5日まであまりに短かすぎる上、和解案には日本の著作権者の意見は含まれていない」とし、和解拒否の通知をGoogleに送った上で、別の枠組でGoogleと交渉を進める予定。「回答期限に拘束されず、きちんとした交渉を行っていく」としている。
Googleブック検索は、書籍本文をデジタル化(スキャン)して検索できるサービス。米国の著作者団体などは、著作権侵害に当たるとしてGoogleを提訴したが、著作者に一時金や収益の一部を支払うことなどで昨年10月に和解した。Googleは、海外の著作権者に対し、和解案の受け入れ可否を5月5日までに回答するよう求めている。
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