東芝、今期は営業黒字に 前期は赤字3435億円、5000億円規模の資本増強へ
東芝の今期は営業黒字見通しだが、2期連続の最終赤字を見込む。自己資本比率の低下を受け、5000億円規模の資本増強を実施する。
東芝が5月8日発表した2009年3月期の連結決算(米国会計基準)は、純損益が前期の1274億円の黒字から3435億円の赤字に転落した。今期は営業黒字化を見込むが、2期連続で最終赤字となる見通し。
自己資本比率は前期から9ポイント悪化して8.2%に低下した。このため3131億円の公募増資に加え、1700億〜1800億円の劣後債を発行し、合計5000億円規模の資本増強を実施する。
売上高は前期比13.2%減の6兆6545億円、営業損益は前期の2463億円の黒字から2501億円の赤字に転落した。全セグメントで減収減益だった。
デジタルプロダクツは売上高が16%減の2兆4675億円、営業損益は前期の150億円の黒字から142億円の赤字に。携帯電話、PC、流通・事務機器、テレビが大幅な減収となり、テレビはコスト削減効果などで黒字化を達成したものの、HDD、携帯電話、PC、流通・事務機器の減益で赤字だった。
半導体は売上高が26%減の1兆232億円、営業損益は3689億円の赤字に。NANDフラッシュの大幅な価格下落やシステムLSIの不振により大幅な赤字となった。
税引き前損益は前期の2650億円の黒字から2792億円の赤字だった。
今期は売上高が2.2%増の6兆8000億円、営業損益は1000億円の黒字に、税引き前損益はとんとん、純損益は500億円の赤字を見込んでいる。
デジタルプロダクツが携帯電話、HDDの改善で黒字転換する見通しに加え、半導体事業で赤字幅の大幅改善を見込む。
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