民主党は、6月12日にオープンした東京都民向けSNS「東京ライフ 電子フォーラム」を22日までに閉鎖した。予想を上回るアクセスが殺到するなどし、「運営について、一層の知恵と工夫を凝らしていく必要性が生じている」ため、システムや運用指針を再構築する計画。運営についての意見を、一般から募集している。
東京ライフは、都民向けに生活情報を発信したり、都民の意見を吸い上げ、政策に反映させるためのサイト。電子フォーラムは、オープンソースのSNSソフト「OpenPNE」で構築されたSNSで、民主党所属の区議会議員などが参加し、日記やコミュニティーを使って政策などについて議論してもらう狙いだった。
だが、メールアドレスなどを登録するだけで誰でも登録でき、コミュニティーも自由に設置できたことなどから、アニメ関連など政策と直接関係ないコミュニティーも乱立したほか、サイトが「Yahoo!ニュース」で紹介されるなどしてアクセスが集中し、つながりにくくなったため、19日に運営を停止していた。
電子フォーラム再開に向け、運営ルールや機能、体制のあり方についての意見をメールで募集している。「健全で建設的な政策議論を実現する」ための「知恵と工夫」を募っており、寄せられた意見の概要は後日、サイトに掲載する予定。応募は27日まで受け付ける。
東京ライフ総編集長の民主党・鈴木寛 参議院議員は同サイトについて、「世代を超えた多くの国民にネット利用の意義や有効性を実証し、選挙でのインターネット利用解禁に大きな弾みを付けたいとの思いを込めて、さまざまなリスクを覚悟で開設に踏み切った」と説明。サイト開設への賛同・応援の意見も多く寄られたという。
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