米Fortinetは7月7日に発表したセキュリティ動向報告書で、Web経由で感染するマルウェアやフィッシング詐欺などが急増し、オンラインサービスに対する深刻な脅威になっていると報告した。
報告書では5月21日〜6月20日のマルウェアやエクスプロイトの動向を分析した。それによると、フィッシング詐欺は過去最高の増加率を示し、マルウェアも急増。エクスプロイトは年初来最高となった5月をさらに上回り、過去最高に達した。
この期間に新たに報告された脆弱性108件のうち、実際に悪用されていることが判明したのは57.4%に当たる62件。これは過去最高の比率だという。
マルウェアのランキングでは、オンラインゲームを狙ったトロイの木馬が引き続き首位を維持した。2位と3位に入った「Zbot」の亜種はキーロガー機能を持ったトロイの木馬。6月は特に活動が活発化し、eCardを装ったスパムを通じて広く出回った。
Webユーザーを悪質サイトに誘導する「JS-Redir」(別名Gumblar、Genoウイルス)は、これまで40位前後だったのが今回は5位に急浮上した。一方、長期にわたり勢力を保ってきた「Netsky」は初めてトップ10から脱落した。
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