涼しくドライブ、燃費も向上!? 空調服の新作は“空調クッション”
暑い日のドライブは背中やお尻ににじむ汗は不快だが、あの空調服が開発したシート用クッションを使えば、ひんやり涼しく過ごせる。エアコンいらずで燃費の向上も!?
この連休からお盆にかけて、1000円で乗り放題の高速道路割り引きを使ってに車で遊びに行く人も多いかもしれない。暑い時期のドライブで気になるのは、背中やお尻の蒸れ。シートに接した部分のじんわりとした汗と蒸れは何とも気持ちが悪いが、エアコンをつけると燃費が悪くなってしまう。
真夏のドライブも涼しくエコに過ごしたい――そんなドライバーに朗報だ。長袖でも涼しく過ごせるファン付き作業着「空調服」を開発・販売する空調服(埼玉県戸田市)が、暑い日のドライブでも背中やお尻が蒸れない“空調クッション”「クールクッション」(9900円)を、このほど発売した。
クールクッションは、車の座席に取り付けて使う、長細い薄手のシートだ。透湿性のある黒いカバーの中に、厚さ1センチの柔軟なプラスチック製メッシュシート「スーパースペーサー」が入っており、足元にファンが1つ付いているという構造。サイズは41(幅)×130(長さ)センチと、肩から背中、お尻まで、座席と体が接する部分をすべてをカバーする大きさだ。
スペーサーは、PCのキーボードのキートップを中空にしたような形で、体と座席シートと間にすき間を作るため、背中やお尻が貼り付いたり、汗でべとついたりすることがない。
シガレットプラグから給電してファンを回すと、スペーサーの間を風が通り、肩の位置にある穴から風が抜ける。背中やお尻の汗や湿気を風で乾かし、気化熱で体を冷やすシステムで、同社が2006年に発売した空調ベッドや空調座布団と同じ仕組みだ。
クールクッションの効き目は、良くも悪くもマイルドだ。炎天下で温まった車のシートに設置し、汗をかいた状態で座ってみると、冷やされているという感覚はないが、シートの熱が体に伝わらず、自然な感じで暑さを防いでくれ、背中やお尻からじんわりと汗が出る不快さもなかった。
クールクッションは、ドライブ時の不快感を防ぐだけでなく、燃費の向上にもつながるという。エアコンは電力消費が大きく、つけるだけで燃費が悪化してしまうが、クールクッションを使ってエアコンの利用を減らせば、燃費も下がるというわけだ。
自動車メーカーからの引き合いもあるという。同社の市ヶ谷弘司社長によると、エコカー向けに、クールクッションの採用を検討しているメーカーもあるという。
スーパースペーサーやクールクッション、空調服などの技術は特許を取っており、特許ビジネスも広げてきた。伊藤忠商事と組み、販路拡大や商品企画を進めている。同社製品はデザイン性は高いとは言えず、一般には普及していないが、「使ってみると実際に効果があった」と、伊藤忠商事から協業について声が掛かったという。
今後も、スーパースペーサーを使った製品に力を入れていく。今年から理容室向けに、背中までカバーしたいす用クッションを販売。すでに900枚が売れたという。「理容室で使ってもらって、お客さんに興味を持ってもらえれば」
介護や医療分野への参入も目指す。スーパースペーサーと他の機構を組み合わせた床ずれ防止用ベッドマットや、車いす用クッションの開発などを検討している。
「わたしは今61歳で、10年後には寝たきりになるかもしれない。床ずれには湿気も関係する。自分が寝たきりになる時には、スーパースペーサーを利用して湿気を防ぐ製品を、当たり前のように使っている世界になってほしい」
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