東芝、ネット接続特化の小型PCに積極参入
東芝は、インターネット利用に特化した小型PCに参入していく方針を明らかにした。トレンドに合わせて低価格PCのラインアップを拡充する一方、成長分野への参入も積極化する。
東芝は、インターネット利用に特化した小型モバイルPCに参入していく方針だ。同日開いた2009年度経営方針説明会で佐々木則夫社長が明らかにした。低価格PCのラインアップを拡充する一方で、MID(モバイルインターネットデバイス)など成長分野への参入を積極化する。
佐々木社長は「これからのトレンドでは、携帯とPCとの境界がなくなっていく。成長分野ととらえ、積極参入を図りたい」と話した。具体的な参入時期などは明らかにしていない。
東芝は、米Googleが発表した新OSプロジェクト「Chrome OS」に参加を表明している。
また今後、高度化するネットワークに対応した「次世代ネットワーク端末」に注力していく方針を明らかにした。映像処理技術など、東芝の強みを生かして快適なデジタルライフを実現するというモバイル端末と家庭用端末を投入する計画だ。
テレビ、PCは新興市場に注力
「赤字に陥った苦境から一瞬でも早く立ち直って黒字化し、利益ある持続的成長へ再発進すること」──佐々木社長は自らの使命をこう定義する。前期に2502億円の赤字だった営業損益を、今期は1000億円の黒字に転換するのが必達目標。液晶事業でアモルファスシリコン型の生産ライン縮小、携帯電話生産の海外移管など、3300億円以上の固定費削減目標を掲げて構造改革を進めている。
今後、TV事業、PC事業とも早期に回復しつつある新興国市場に注力。TV事業では、安価なコモディティーモデルとミドル・ハイエンドクラスを「しっかり区別して」開発していく。PC事業でも新興国市場向け商品開発に注力するほか、599ドル以下の低価格モデルを現行の4モデルから6モデルに拡充するなど、低価格にシフトする市場トレンドをとらえた戦略をとる。
NANDフラッシュメモリ事業では32ナノメートルプロセスへの微細化を進め、09年度末には32ナノ比率を65%に高める計画。NANDフラッシュを活用したSSD、富士通から買収するHDD事業を合わせ、コンシューマー向け、エンタープライズ向けとも対応可能なSSD・HDDラインアップでストレージ事業を拡大していく。
2011年度(2012年3月期)の経営目標は売上高8兆円、営業利益3500億円。そのうちテレビ、PCを含む「デジタルプロダクツ」の売上高は2兆8500億円(09年度見通しは2兆4500億円)、営業利益は600億円が目標。
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