ニュース
理研の98TFLOPSスーパーコンピュータが稼働
理研の新スーパーコンピュータシステム「RICC」が完成し、10月から正式運用。富士通が構築を担当したPCクラスタは97.94TFLOPSの実行性能を達成。
理化学研究所は8月7日、新スーパーコンピュータシステム「RICC」(RIKEN Integrated Cluster of Clusters)を開発し、10月から運用すると発表した。富士通が構築を担当したPCクラスタは、Linpackベンチマークで97.94TFLOPSの実行性能を達成した。
計算サーバ(超並列PCクラスタ、大容量メモリ計算機、多目的PCクラスタ)とストレージなどで構成する複合システム。超並列PCクラスタには富士通のPCサーバ「PRIMERGY RX200 S5」1024台(2048CPU、8192コア)を採用した。実行性能は、現在のTop500に当てはめると世界34位、PCクラスタとしては国内1位になるとしている。
多目的PCクラスタには、NVIDIAのTeslaによるGPUアクセラレータを搭載。グラフィカルなインタフェースでプログラミングが行える環境も提供し、利用の拡大を期待している。理研が開発した「MDGRAPE-3」クラスタもシステムに加わっている。
RICC上では、2012年完成予定の次世代スーパーコンピュータ(京速計算機)のアプリケーションプログラム開発も行われる。数千並列規模のジョブを常時投入できるようにする高機能スケジューラを独自開発した。
テスト運用は8月3日に開始し、11日に新システムを関係者に公開。課題の申請受け付けと審査を経て、10月1日に正式運用を開始する予定。
関連記事
- 理研、Nehalemで108TFLOPSの大規模クラスター 富士通が受注
富士通が理研の新スーパーコンピュータシステムを受注。Nehalem搭載のXeon 2048CPU・8192コアにより、理論ピーク性能を108TFLOPSに高める。 - 「京速計算機」は最速SPARCベース スカラー単独に決定
2012年に10PFLOPSを目指す次世代スーパーコンピュータはスカラー単独構成とすることで正式決定。8コアで128GFLOPSと世界最速のCPU「SPARC64 VIIIfx」を採用する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.