新型PS3は“顔”で売る 参加型マーケティングで年末商戦へ
年末商戦に向けたプレイステーションシリーズのキャンペーンが始まった。PS3プレイ中の有名人の表情を大写しにしたテレビCMなどを展開する。
「今日から年末商戦が始まる」――8月19日、新型「プレイステーション 3」を発表したソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のショーン・レーデン社長はこう意気込んだ。同日から、年末商戦に向けたマーケティングをスタート。「新製品そのものの訴求より、中長期的なブランディングを重視したキャンペーン」(同社の金勲 上級副社長)という。
9月3日に発売する新型PS3は、初代モデルより3割以上小型化。120GバイトHDDを搭載しながら価格は2万9980円と、80GバイトHDD内蔵の従来機より1万円値下げした(PS3値下げ スリムな新モデルを9月3日発売)。11月には新型のプレイステーション・ポータブル「PSP go」を発売。年末商戦には、PS3、PSPとも新型機が出そろう(ソニー、「PSP go」発表 2万6800円で11月発売)。
年末に向けたPSシリーズキャンペーンのテーマは、「こころは、もっと動く」。PS3プレイ中の芸能人などの表情「playface」をテレビCMで流すなどし、「PSはただの現実逃避ではなく、リアルな感情体験ができる遊び」とアピールする。俳優の窪塚洋介さんや、総合格闘家の山本“KID”徳郁さん、ハイパーメディアクリエイターの高城剛さんなどをキャンペーンキャラクターに起用した。
「テレビ中心のキャンペーンではない」(金 上級副社長)――東京と大阪で9月〜11月にかけ、Webサイトと連動したユーザー参加型イベント「playfaceダービー」を開く。
一般の人5000人以上に、専用ブースでPS3をプレイしてもらい、360度カメラで表情を撮影。映像を特設サイトにアップし、人気投票1位の人に「一生ゲームで遊べるポイント」として、PlayStation Networkで使えるポイントを250万円分プレゼントするという企画だ。
ソフトも充実へ 「ガンダム戦記」PS3同梱版も
年末商戦に向け、ソフトも充実させる。9月3日には、PS3本体と、専用ゲーム「機動戦士ガンダム戦記」(バンダイナムコゲームス)を同梱した「機動戦士ガンダム戦記 GUNDAM 30th ANNIVERSARY BOX」(3万8359円)を発売するほか、東京ゲームショウでもPS3・PSP用タイトルが発表される見通しだ。
PS3やPSPは、WiiやニンテンドーDSに台数で水を空けられている。1万円の大幅値下げに踏み切ったPS3、デザインを一新し、ネットワークを重視したPSP goという新製品でSCEは、年末商戦に勝負をかける。
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