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ソニーの「LIBRIe」はなぜ“日本のKindle”になれなかったのか
ソニーが2004年に発売した「LIBRIe」はなぜ、“日本のKindle”になれなかったのか。大根田CFOが分析した。
米国ではAmazonの電子書籍端末「Kindle」が快進撃を続ける一方で、日本国内では専用端末が振るわない。ソニーは2004年に端末「LIBRIe」(リブリエ)を発売したが、07年に撤退した。
Kindleが急速に普及する一方、LIBRIeが撤退せざるを得なかったのはなぜか。同社の大根田伸行CFOが、10月30日の決算会見で分析した。
大根田CFOが考える両者の違いは、(1)日本では、電子書籍端末より携帯電話を使って文字や画像を見る文化が強いこと、(2)出版業界が日米でかなり違い、日本では新刊がなかなか電子書籍化できないなどの問題があったこと――など。「タイミングと投入する導入する場所についての失敗もあったのではないか」と反省する。
ただ欧米では電子書籍端末「Sony Reader」を販売中で、「今のところ好調に伸びており、ハードとサービスを組み合わせたチャレンジを取り組んでいる」(同社の神戸司郎 広報センター長)という。
ソニーの電子書籍端末が「日本に再上陸する可能性もある」と大根田CFOは話す。具体的に検討しているわけではないが、書籍の電子化が進み、出版社の問題など日本特有の問題が解決に向かえば、可能性はあるという。
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