ソニー、「進化するテレビ」導入へ 独自デバイスで新ディスプレイも開発・3D本格展開
ソニーが「進化するテレビ」の導入を計画。ネットワーク経由で新しいアプリケーションを追加できる拡張性などが特徴だ。10年度からは3D立体視を本格展開する。
ソニーは11月19日、新経営方針を発表し、液晶テレビ事業では2010年度の黒字化と12年度の世界シェア20%(台数ベース)を目指す方針を掲げた。ネットワークと連動した「進化するテレビ」の導入や、独自デバイスによる新ディスプレイの開発も進める。またソニー全体で3D(立体視)関連商品を10年度から本格展開し、関連商品で12年度に1兆円の売上高を目指す計画だ。
「進化するテレビ」は、ネットワーク経由で新たなアプリケーションを提供できる新しいネット対応テレビ。テレビ事業を担当する石田佳久CPDG・ホームエンターテインメント事業本部長は「アプリダウンロードによる拡張性」「マルチタスク」「QWERTYキー付きインプットデバイス」といったフレーズでコンセプトを説明する。
新テレビが狙うのは、「売って終わり」の既存ビジネスを脱却した、成長の柱になる新しい収益モデルの創出だ。ソニー製ハードウェア全体を巻き込む新ネットワークサービス「Sony Online Service」(仮称)を通じ、ユーザーの購入後も続くリテンションビジネスを展開するという。
「独自デバイスによる新しいディスプレイ」には「有機ELも含まれる」が、「それ以外にもいくつかやっているが、詳細は言えない。非常にエキサイティングな新商品だ」(石田本部長)という。
3D本格展開へソニーグループ結束
来年度の3D本格展開に向け、コンテンツ制作からハードウェア開発販売まで自社で行える強みを生かして準備を進めている。
既に専用眼鏡による立体視が可能なBRAVIAを発売する計画を明らかにしており(ソニー、3Dテレビを2010年に投入 VAIOやPS3も3D対応へ)、HDMIによる3D表示の標準化作業も進んでいるという。「プレイステーション 3」も、これまで販売した機種はファームウェアのアップデートですべて3Dタイトルに対応させる方針。映画館向けのプロジェクター+3Dレンズユニットは10年度末までに世界3000スクリーン以上に供給する計画だ。
コンテンツを除く3D関連商品だけで12年度に1兆円の売り上げ実現に向け、「3Dの旗印のもと、ソニーの全員が同じ方向に進んでおり、“Sony United”を実現するテーマになっている」(吉岡浩副社長)とグループ一丸で取り組む考えだ。
3Dはパナソニックも本格展開を計画しているが、ハワード・ストリンガーCEOは「コンテンツとハードの両方を供給できる点がソニーの強み」と強調。「Blu-ray Discで勝利したように、3Dでも成功できると確信している。これこそソニーの“Transformation”だ」と自信を見せている。
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