蛍光表示管から立体視ディスプレイまで FPDの歴史をたどる特別展:Display 2010
20周年を迎えた「ファインテック ジャパン」。特別記念展としてFPDの歴史を追う特別展が開催。世界で初めて液晶ディスプレイを搭載した電卓から最新のドキュメントビューワまで、進化の流れをまとめて見られる。
フラットパネルディスプレイ(FPD)関連技術の展示会「ファインテック ジャパン」が4月14日、東京ビッグサイトで開幕した。今回で20周年を迎えるのを記念した特別展「FPD技術革新の歴史展」を開催。蛍光表示管による電卓などでFPDの歴史をたどることができる。
同展は、同時開催の「Display 2010」エリア・東6ホールの奥で実施。フラットパネルディスプレイを使った製品を、時代を追うように横1列にずらっと並べた。
展示は1969年からスタートする。トップを飾るのは、液晶ディスプレイの登場まで主流だった蛍光表示管を利用したシャープ製の電卓「QT-8D」。隣には東北大学が71年に合成した液晶材料が、当時の濃度を再現した上で展示されている。
世界で初めて液晶ディスプレイを搭載したシャープ製電卓「EL-805 Electronic Calculator」も展示。83年に発売された液晶ディスプレイ搭載ポータブルコンピュータ「PC-5000」、91年発売の世界初の壁掛けテレビ「9E-HC1T」、93年発売のPDA「ザウルス」など、シャープ製品が並ぶ。
最近のものでは電子ペーパー端末も。ブラザー工業のドキュメントビューワ「SV-100B」や富士フロンテックのカラー端末「FLEPia」などが展示されている。
富士フイルムの3Dデジタルカメラ「FinePix REAL 3D W1」や3Dビューワ「FinePix REAL 3D V1」も展示。蛍光表示管から立体視ディスプレイまで、実際の製品でFPDの進化をたどれるようになっている。
レーザープロジェクタ利用したタッチパネル風インタフェース
同展の一番端、最も未来に近いところでは、船井電機が小型のレーザー走査型プロジェクターを利用した新しいユーザーインタフェースを紹介している。
机などユーザーの手元に映像を投影できるプロジェクターを利用。ユーザーは手元の映像をタッチパネルのように触って操作ができる。
手や指に反射したレーザーをプロジェクターの下部に付いた光検出器が感知し、座標を判別する仕組み。操作用の投影サイズは5.7インチで、解像度は800×600ピクセルだ。
現在は、静止画と動画の再生に対応。静止画では、メモ書きや画像送り、拡大縮小、画像の回転ができる。動画再生機能では、再生・停止、早送り・巻き戻しといった操作ができる。
課題は、黒が強い映像の場合、操作ができなくなること。黒い部分にはレーザーが照射されないためだ。指で影ができる場合も同様で、2本以上指を使い、指が前後に隠れる操作(ピンチイン/アウトなど)が利用できない。前者については、赤外線レーザーを入れるなどの解決策を検討しているという。
製品化の時期は未定。早くて来年だとしている。
関連記事
- 70V型の裸眼立体視ディスプレイやARの3D化も 花咲く3D
フラットパネルディスプレイを集めた展示会「Display 2010」が開幕。世界最大という70V型の裸眼立体視ディスプレイや立体視できるARなど、3D関連の展示が目立った。 - 世界初の3Dデジカメ、富士フイルムが発売 ビューワー、プリントも3D
3D映像を撮影できるデジカメ「FinePix REAL 3D W1」を富士フイルムが発売する。撮影した映像を3Dで楽しめる「3Dビューワー」と写真プリント「3Dプリント」も同時提供。 - カラー電子ペーパー端末「FLEPia」10万円で発売 Webや写真閲覧も
カラー電子ペーパーを搭載した電子書籍端末「FLEPia」の一般販売がスタート。電子書籍やWordファイルなどを表示できるほか、Webブラウザも搭載した。 - ブラザーが“業務用”電子ペーパー端末 大量の書類、コンパクトに持ち歩き
「電子書籍じゃありません」――ブラザーが業務用の電子ペーパー端末を発売する。A4書類をデータ化して持ち運ぶことを想定している。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.