キヤノンは5月25日、家庭用SEDテレビの開発を凍結したことを明らかにした。「液晶テレビと同様のコストダウンが行えず、採算ベースが合わない」(キヤノン広報部)と判断したため。業務用に特化して開発を続ける。
同社は1986年からSEDの基礎技術である電子放出素子の研究を開始。90年代初めにSEDテレビの研究開発を本格化し、99年に東芝とSEDの共同開発を始めた。
家庭用SEDテレビは当初、05年に発売する計画だったが、関連特許をめぐる米Nano-Proprietaryとの訴訟(08年9月に勝訴)の影響などで何度も延期。04年には東芝と合弁で生産子会社「SED株式会社」を設立したが、07年に東芝保有株をキヤノンが買い取り、キヤノンの単独事業として立て直しを図っていた(SED生産はキヤノン単独事業に 量産計画見直しへ)。
今後は業務用や教育用テレビとして研究開発を続ける。子会社SED株式会社も存続する。
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