大沢在昌氏の新作は電子書籍、ケータイ漫画、テレビドラマ同時展開
「新宿鮫」などハードボイルド小説で知られる作家の大沢在昌さんが、新作小説「カルテット」(角川書店)を12月、電子書籍で先行販売する。来年1月にはテレビドラマ化するほか、携帯電話サイトでコミック版も展開。「多くの人に受け入れてもらい、参加できる仕組みにしたい」と大沢さんは話す。
カルテットは、10代の少年少女3人を中心にした全4巻の小説。紙の書籍に先行し、角川グループが12月にスタートする電子書籍プラットフォーム「BOOK☆WALKER」で12月下旬に1、2巻を発売する。ケータイサイト「E★エブリスタ」でケータイ漫画も展開、漫画コンテストも同サイトで行う。テレビドラマは福田沙紀さんと松下優也さん主演。毎日テレビ系列で放送する。
作品は、テレビドラマ化を前提に5年かけて執筆。大沢さんは「電子書籍はまだ、海のものとも山のものとも分からない」ため、デジタル関連の企画は角川グループなどに任せているが、作家として「電子書籍に前向きに取り組みたい」という。
「夢のような変化は、簡単には起きない」が……
「電子書籍は今年ぐらいから一気にかまびすしい感じになっているが、夢のような変化は、簡単には起きない」と、大沢さんは電子書籍を冷静に見る。
iPadやKindleなど電子書籍の閲覧に向いた端末はまだ普及が進んでおらず、「日本人全員、1億人以上が“デバイス”(紙に書かれた日本語を読む能力)を持っている紙の本と比べると、とてつもない産業にはならない」ためだ。
「かといって、電子書籍を忌避(きひ)してはいけない」とも。同じ作品でも、紙の本より電子書籍で出したほうがメディアの注目が集まり、「話題としての起爆力がある」ため。紙の本は手に取らなかった人が、電子書籍やケータイ漫画を通じて作品を知ってくれる可能性もある。
「電子書籍も紙の本も利益を食い合うわけではない。1人でも多くの人が楽しみ、盛り上がるためには、相互で力をぶけあう形で展開しないと。紙、電子、ドラマ、コミックなど、とにかくふくらませていって、みんなが興味を持ち、参加できるようにしていきたい」と大沢さんは意気込んでいる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
LINE、着せかえ表示問題を謝罪 希望者に返金へ
-
2
スマート給餌器で38時間の障害、ペットがご飯食べられず 飼い主の苦情殺到 「旅行中なのに」「猫が死んじゃう」
-
3
Googleのオープンモデル「Gemma」、累計10億ダウンロード超 GitHubに公式ディレクトリ公開
-
4
コードが書けない筆者が愛車用にアプリを2本自作 「AI製アプリで起業」の夢膨らむも、見えた有料化の壁
-
5
終了発表の縦読み漫画「comico」――元重課金ユーザーが振り返る「いつしか開かなくなった」理由
-
6
不正アクセスで一部停止中のNTT西子会社レンタルサーバ、復旧見通しを公表 調査完了は8月末見込み
-
7
バスローブ姿で取材対応の秋田県職員 ラブホ不倫現場からリモート対応だった 県が処分
-
8
楽天、“攻撃型ドローン”関連報道に「事実と相違ない」 国内販売窓口として導入支援
-
9
生成AI画像で“架空の女性”に成り済まして政治投稿か 立憲栃木県連の男性党員 一部報道
-
10
大阪万博の関係者情報が漏えいか 再委託先のMicrosoft 365アカウントに不正アクセス
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR