ソニー、「Reader」2機種を発売 電子書籍事業を日本で本格展開
ソニーは電子書籍端末「Reader」を12月10日に国内発売し、電子書籍事業に本格的に乗り出す。電子ペーパーが6インチの「Touch Edition」と5インチの「Pocket Edition」の2機種。電子書籍ストアもオープンする。
ソニーは11月25日、電子書籍端末「Reader」を12月10日に発売すると発表した。電子ペーパー部のサイズが6インチ「PRS-650」(Touch Edition)と、5インチの「PRS-350」(Pocket Edition)の2機種。価格はオープンで、実売予想価格はPRS-650が2万5000円前後、PRS-350が2万円前後。
発売に合わせ、電子書籍ストア「Reader Store」をオープンする。電子書籍コンテンツの取次は、ソニーとKDDIなどが共同出資する「ブックリスタ」が行う。
ディスプレイ部に電子ペーパーを採用した電子書籍端末。米E Inkの新型電子ペーパー「Pearl」を採用し、高コントラストで紙の書籍のような表示が可能になっているという。
画面周辺部から赤外線を照射する仕組みの光学式タッチパネル機能を採用し、指を使ってページめくりなどの操作を行える。光学式にしたことで、指だけではなく、スタイラスペンなどを使って本にメモを書き込むなどの操作ができるほか、画面表示も抵抗膜式タッチパネルに比べクリアになっているという。
電子ペーパーの低消費電力性を生かし、1回の充電で約1万ページ(文庫本30冊分程度)のページ送りが可能としており、平均的な読書パターン(1日約75分読書)で約2週間使用できるという。
日本での発売に当たり、可読性の高い日本語フォントの採用や縦書きへの対応のほか、日本語入力用ソフトウェアキーボードや予測入力・学習、ユーザー辞書登録機能などを備えた。
著作権保護付きXMDFとePubのほか、PDF、テキストファイルの表示が可能。Reader Storeでは著作権保護付きXMDFで電子書籍を販売する。ほかのストアで購入した著作権保護付きXMDFも、DRMの仕様が同じであれば読める可能性があるという。
通信はPCとUSB接続で行う。購入した電子書籍は専用管理ソフトで転送できる。
PRS-650(Touch Edition)は、ほぼ文庫本サイズとなる6インチのディスプレイを搭載。サイズは約119.1(幅)×169.6(高さ)×10.3(奥行き)ミリ、重さ215グラム。
内蔵メモリーは2Gバイトで、ユーザーエリアは1.4Gバイトあり、1冊1Mバイト換算で約1400冊を持ち歩ける計算になる。メモリースティックPROデュオ/SDメモリーカードスロットを備え、ストレージは32Gバイトまで拡張可能だ。著作権保護なしのMP3/AAC音楽ファイルの再生も可能だ。
5インチディスプレイのPRS-350(Pocket Edition)は、サイズが約104.6(幅)×145.4(高さ)×9.2(奥行き)ミリとほぼ文庫本と同じサイズ。重さは約155グラム。2Gバイトメモリを内蔵(メモリーカードスロットはなし)する。
関連記事
- ソニー・KDDI陣営の電子書籍配信事業会社 「ブックリスタ」発足
ソニー、KDDIなどが電子書籍配信会社を事業会社化し、「ブックリスタ」として発足。ソニーは「電子書籍事業と製品」の発表会を予告。 - ソニー、電子書籍リーダーの新モデル発表 日本でも発売へ
新しい「Sony Reader」は全機種フルタッチで新しい電子ペーパー技術を採用。ソニーはiPhoneやAndroid向けのReaderアプリもリリースする。 - 「電子書籍のオープンプラットフォーム構築へ」 ソニー、KDDI、凸版、朝日新聞が新会社 iPad、Kindle対応の可能性も
ソニー、KDDI、凸版、朝日新聞が設立する電子書籍新会社は「オープン」が売りだ。参加企業や端末を限定せず、AppleやAmazonの“1社独占プラットフォーム”に対抗。国内各社が安心してコンテンツ提供できる環境を構築する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.