JASRAC、“無罪”見通し 「包括契約」めぐる排除措置命令取り消しへ
JASRACが放送局と結んでいる「包括利用許諾」契約に対し公取委が出した排除措置命令が取り消される見通しになった。「独禁法に違反する事実を認められない」と公取委の審判官は説明しているという。
日本音楽著作権協会(JASRAC)が放送局と結ぶ、楽曲の「包括利用許諾」契約が同業他社の新規参入を妨害しているとして公正取引委員会が排除措置命令を出した事件で、審判で争っていたJASRACは2月2日、公取委の審判官から命令を取り消す審決案が送付されたと発表した。
取り消す理由として、JASRACの包括契約が「他の管理事業者の事業活動を排除する効果を有することを認める証拠はなく、独占禁止法3条に違反する事実を認めることはできない」と説明されているという。JASRACは「当協会の主張立証に沿って適正な判断をしていただいた」とし、正式に審決が出た後で改めて見解を公表するとしている。
JASRACは放送局などと包括利用許諾契約を結び、音楽著作権の使用料を、曲が利用された実数ではなく「放送事業収入の○%」といった形で包括的に算定する方法で徴収している。公取委は2009年2月、「放送局は使用料の追加負担を嫌って他の管理事業者の楽曲を利用しないため、他事業者が放送向け管理事業を営むことが困難になっている」として、JASRACが新規参入を妨害した独禁法違反(私的独占の禁止)で排除措置命令を出し、新方法による著作権利用料の徴収を求めた。
JASRACは同年4月、命令を不服として取り消しを求める審判を申し立てた。「現状を理解しないまま市場に介入するもの」と命令を批判し、「放送局が使用料の上乗せを避けるために楽曲の使用を避けるということは考えにくい」などと反論していた。
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JASRACは、2月に公正取引委員会から受けた排除措置命令を不服とし、命令の取り消しを求める審判請求を申し立てた。
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