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JASRAC、排除命令取り消し求め審判請求 「利用者の利益も害する」
JASRACは、2月に公正取引委員会から受けた排除措置命令を不服とし、命令の取り消しを求める審判請求を申し立てた。
日本音楽著作権協会(JASRAC)は4月28日、テレビ局など放送事業者と結ぶ「包括利用許諾」契約をめぐり、2月に公正取引委員会から受けた排除措置命令を不服とし、命令の取り消しを求める審判請求を申し立てた。
「排除措置命令は、著作権の本質や国内の著作権管理事業者が置かれている現状を理解しないまま市場に介入するものであり、大局的な目で見れば、権利者のみならず利用者の利益も害する」と公取委を批判している。
JASRACは、(1)音楽の著作物は基本的に代替性を欠く、(2)放送事業者が使用料の上乗せを避けるために楽曲の使用を避けるということは考えにくい、(3)包括契約は海外のほとんどの著作権管理団体で採用されている――といった理由を挙げて包括契約の正当性を主張している。
「排除措置命令という方法ではなく、公取委との協議を通じて実行可能な徴収方法を検討することが適当」とし、審判で公正な判断を求めていくとしている。
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