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JASRAC、排除命令は「到底承服できない」 審判請求へ
JASRACは、公正取引委員会から同日受けた排除命令を受け入れず、審判で争う方針を明らかにした。「到底承服できない」としている。
日本音楽著作権協会(JASRAC)は2月27日、テレビ局など放送事業者と結ぶ「包括利用許諾」契約をめぐり、公正取引委員会から同日受けた排除措置命令を受け入れず、審判で争う方針を明らかにした。「事実認定・法令適用両面で誤っており、到底承服できない」としている。
「現在の当協会の徴収方法が私的独占に当たるとは考えていない。今回の命令に対応するためには、放送事業者から放送曲目を全曲報告してもらう必要があるが、その準備も整っていない」としている。
JASRACの加藤衛理事長は同日、記者会見し、「来週月曜日(3月2日)に公取委から説明を受ける予定。その上で審判請求する」と話した。
公取委によると、JASRACは放送事業者と包括利用許諾契約を結び、音楽著作権の使用料を、曲が利用された実数ではなく「放送事業収入の○%」といった形で包括的に算定する方法で徴収。放送事業者は使用料の追加負担を嫌って他の管理事業者の楽曲を利用しないため、他事業者は放送向け管理事業を営むことが困難になっており、JASRACは放送向け管理楽曲の利用許諾分野で競争を実質的に制限した(JASRACに排除命令 公取委、「包括利用許諾」改善求める)。
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