「エンジニアを楽に」──電話機能を簡単に組み込めるAPI「boundio」
KDDIウェブコミュニケーションズがクラウド電話API「boundio」の正式サービスを始めた。「開発者が電話をつないで簡単に面白いサービスを作れる」APIとして浸透させていく。
KDDIウェブコミュニケーションズは4月10日、クラウド電話API「boundio」の正式サービスを始めた。050電話番号による発信など、電話機能を「数行のコード」でWebサイトやアプリに組み込めるのが特徴。「開発者が電話をつないで簡単に面白いサービスを作れる」APIとして、電話を活用した本人認証やネットサービスへの普及を進めていく。
boundioはネットから電話をかける(発信)ことができるクラウド電話API。(1)050電話番号による発信、(2)アップロードした音声を再生する機能、テキスト文字列を音声ファイルに変換できる音声合成機能──の3つを利用できる。サイトやアプリに組み込む際は数行のコードで済むという。
同様の機能を自社で構築する場合、電話事業者との契約から接続などを自前で行う必要があり、専門エンジニアとかなりの工数、費用が必要だったが、同APIを使うことで「半年〜1年かかっていた開発が5分で行える」としている。
基本料金は月額1575円。通話料は固定電話向けが1分15ポイント(1ポイント1円)、携帯電話向けが1分25ポイント。オンラインサインアップですぐに使うことができる上、従来の同様のサービスと比べて格安に設定し、中小企業や個人開発者への浸透を図っていく。
正式版リリースに当たり、カヤック、ソフトクリエイト、リザーブリンクなどが採用。カヤックは音声コミュニティー「koebu」で、ユーザーの電話にサイトからのお知らせが届く機能を実装していく。ソフトクリエイトはECサイト構築パッケージ「ecbeing」に、会員登録時のユーザー本人認証などに電話を活用する機能を組み込む。
初年度売り上げ1億円・開発者数3000を目標に掲げ、同社は同様のサービスで世界最大手の米Twilioと提携し、国内市場向け事業で協業していく方針を明らかにした。
山瀬明宏社長は「エンジニアを楽にしようというコンセプトで作ってる」と話し、中小企業・個人開発者向けに「リスクのない価格」に設定した狙いを説明。「これから伸びる大きなマーケットだ」と期待している。
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