ソニーが5月10日発表した2011年度(2012年3月期)の連結決算(米国会計基準)は、最終損益が4566億円の赤字だった。赤字額は過去最大。今年度はタイ洪水などの悪影響からの回復や構造改革により大幅な改善を見込み、最終損益は5年ぶりに黒字転換する見通しだ。
売上高は前年度比9.6%減の6兆4932億円にとどまった。営業損益は672億円の赤字(前年度は1998億円の黒字)、税引き前利は831億円の赤字(前年度は205億円の黒字)だった。
液晶テレビやPC、ゲーム、デジタルカメラなどを含む「コンスーマープロダクツ&サービス」(CPS)分野の売上高は18.5%減の3兆1368億円、2298億円の営業赤字だった。液晶テレビが国内外で需要が落ち込んだほか、タイ洪水の影響でPCやデジタルカメラなどが減収だった。
イメージセンサーなどを含む「プロフェッショナル・デバイス&ソリューション」(PDS)分野の売上高は12.6%減の1兆3138億円、202億円の営業赤字だった。
スマホ販売は3330万台目標
今期の連結業績見通しは、売上高が14.0%増の7兆4000億円、営業損益は1800億円の黒字、最終損益は300億円の黒字。前年度の東日本大震災、タイ洪水の悪影響から回復するため、CPS、PDSで増収を見込む。CPSは大幅な損失縮小、PDSは黒字化を見込んでいる。
液晶テレビの年間販売目標は1750万台(前年度は1960万台)。スマートフォンは前年度の2250万台から大幅増の3330万台の販売を目指す。ゲームではPS2とPS3の合計で1600万台(前年度は1800万台)、PSPとPS Vitaの合計で1600万台(前年度は680万台)を見込んでいる。
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