「Google Chrome 21」の安定版リリース Webカメラやマイクの利用が可能に
最も危険度が高い「Critical」レベルの脆弱性1件を含む15件を修正した他、幾つかの新機能が追加された。
米Googleは7月31日(現地時間)、Webブラウザ安定版の最新バージョン「Chrome 21」を公開した。Googleのブログによると、Chromeの最新バージョンはMacとLinux向けが「21.0.1180.57」、WindowsとChrome Frame向けは「21.0.1180.60」となる。インストール後、再起動が必要だ。
getUserMedia API対応でカメラやマイクの利用が可能に
「getUserMedia API」は、Webカメラやマイクを使うWebアプリを、プラグインなしで利用できるようにするAPI。このAPIへの対応は、Webブラウザでの高品質なリアルタイム通信を可能にするWeb標準候補「WebRTC」のサポートへの第一歩だとしている。
Webカメラを搭載した端末にChrome最新版をインストールすれば、既に公開されている「Webcam Toy」や「Magic Xylophone」で、この新機能を試すことができる。また、19日に公開した実験的Webサイト「Web Lab」の「スケッチボット」もこの機能を採用している。
Googleクラウドプリントの統合強化
「設定」(Chromeツールバー右端のレンチアイコン)→「印刷」→「送信先の変更」で表示されるの「宛先の選択」ダイアログに「Google Cloud Print」が統合された。Google Cloud Printは、プリンタドライバをインストールせずに印刷できるようにするChromeのサービス。クラウド対応プリンタに出力できる他、Google Drive上のGoogle Docsやモバイル版Chrome搭載端末からの印刷が容易になった。
この他、Gamepad JavaScript APIに対応したことで、「Native Client(NaCl)」採用のWebゲームだけでなく、JavaScriptゲームでもゲームパッドを利用できるようになり、Mac版ではRetinaディスプレイに対応した。
セキュリティ関連のアップデート
脆弱性は計15件を修正した。このうち最も危険度が高い「Critical」レベルの1件では、タブ処理におけるクラッシュ問題に対処した。この脆弱性はLinuxのみに存在する。
残る14件の内訳は、危険度が上から2番目に高い「High」が6件、中程度の「Medium」が5件、最も低い「Low」が3件となっている。「PDFビュワーの整数オーバフロー」「PDFの不正なオブジェクトリンクに関する解放後使用」など、PDF関連の深刻な脆弱性を多数修正した。
脆弱性の大半はメモリエラー検出ツールの「AddressSanitizer」を使ってGoogleの社内で発見された。外部から情報が寄せられた2件については、それぞれ1000ドルの賞金を贈呈している。
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