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ネットが教えてくれた“書店員の力” ジュンク堂が取り組む、ネット×書店の姿(2/2 ページ)
書店員手作りの閉店フェアがネットで話題になり、ジュンク堂新宿店の売り上げが過去最高を更新した。書店員の力に気づいたジュンク堂は、ネット書店にもリアル店舗の強みを組み込んでいく。
「お店でできること、ネットでできない理由がない」
ジュンク堂がBtoCのネット通販に本腰を入れたのは2009年。「後発中の後発」からのスタートだったが、「店舗を持っているからこそできるサービスを」と取り組んできた。
全国の店舗の在庫をネットで確認できるようにしたり、ネットで注文した書籍を実店舗で取り置き、試し読みできるようにしたり、書籍に無料でブックカバーを付けたり、店頭で実施するイベントをUstream配信したり――「お店でやっていることが、ネットでできない理由がない」と工藤氏は言う。
新宿店の反響を受け、この夏、全国のジュンク堂書店、丸善で「もしも明日、自分の店が閉まるとしたら、どうしても今日中に売っておきたい1冊」フェアを実施している。写真は丸善&ジュンク堂書店 渋谷店のフェア棚
今後も店舗とネットの連携を強め、ジュンク堂らしい店づくりをネットで再現したいという。例えば書籍のジャンル分け。一般にネット書店では、出版社による分類がそのまま反映されるが、書店は独自にジャンル分けし直し、顧客が選びやすいよう配慮している。書店の棚は、書店員の目利きで作った、本の“レコメンドシステム”になっているのだ。
ジャンル分けだけではない。テーマごとにまとまったフェアの選書、著者によるトークショー、書店員の商品知識、大量の書籍など、書店の店舗は「情報があふれている空間」だ。その情報を、店舗の顧客、ネットストアの顧客それぞれにうまく提供できる空間作りをしていきたいという。来店客向けスマートフォン向けサービスなどで、“書店の空間をネットで広げる”取り組みも検討。「面白い空間を作りたい」と、工藤氏は意気込んでいる。
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