世界初の積層型CMOSイメージセンサー、ソニーが開発 小型・高画質化した「Exmor RS」
画素と回路の積層型構造を世界で初めて採用した裏面照射型CMOSセンサー「Exmor RS」をソニーが開発。小型化できる上、RGBに「W」画素を加えて高感度化した「RGBWコーディング」機能なども搭載。
ソニーは8月20日、画素と回路の積層型構造を世界で初めて採用した裏面照射型CMOSイメージセンサー「Exmor RS」を開発し、10月から順次出荷すると発表した。小型化が可能な上、暗い部屋や夜間でもきれいな画像を撮影できるという「RGBWコーディング機能」などを採用、スマートフォンやタブレットなどでカメラの高画質化が可能としている。
開発したのは、1/3.06インチ有効1313万画素タイプ1モデルと、1/4インチで有効808万画素の2モデル。それぞれセンサーと、AF内蔵モジュールを製品化する。
新製品では、従来のセンサーのベースとなっていた「支持基板」の代わりに、信号処理回路などを形成したチップを使い、その上に画素部分を積み重ねる積層型構造とした。従来は画素の周囲に回路を形成していたが、この部分を画素の下に置くことでセンサーの小型化につながる。
またRGB3原色に「W」(白)画素を加えて感度を向上させた「RGBWコーディング」機能と、「HDR(ハイダイナミックレンジ)ムービー」機能を搭載。RGBWコーディング機能では、、独自のデバイス技術と信号処理により、画質を損ねることなく感度を上げているという。HDRムービー機能は、撮影時に同一画面内で2種類の露出条件を設定し、そこで得た画像を信号処理することでダイナミックレンジの広い画像を生成。逆光でも色鮮やかに撮影できるとしている。
1313万画素モデルのセンサーは来年1月に、モジュールは同年3月に出荷を開始する計画。808万画素モデルは、HDRムービー機能に対応したセンサーが来年3月、モジュールが同年5月、HDRムービー非対応のセンサーが今年10月、モジュールが11月からの出荷を予定している。
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