iPhone 5製造のFoxconn工場で大規模ストライキ 品質水準引き上げに反発
AppleのiPhone 5を製造する中国工場で、0.02ミリのへこみも許されない新しい品質水準で国慶節にも休めなかった従業員数千人がストライキに参加し、製造ラインがまひしたと労働権利団体のChina Labor Watchが伝えた。
米Appleの人気のスマートフォン「iPhone 5」を製造する中国工場で10月5日(現地時間)、3000〜4000人が参加する大規模なストライキが起き、iPhone 5の製造ラインがまひしている──。米ニューヨークに拠点を置くNGOの労働権利団体、China Labor Watch(中国労工観察)が伝えた。
ストライキが起きたのは、台湾Foxconnの中国河南省鄭州にある工場。事の起こりは、AppleとFoxconnが品質管理部門に対し、合格品質水準を厳しく引き上げたことにあるという。この水準を満たすため、従業員は中国国民にとって非常に重要な祝日である10月1日の国慶節(建国記念日)にも休みを取れなかった。
従業員によると、そもそも設計上の欠陥でiPhone 5は傷付きやすいにもかかわらず、新しい品質水準では0.02ミリのへこみも、フレームとバックカバーの傷も許されないものになったという。
iPhone 5は発売当初から傷がつきやすいことが判明しており、ユーザーから傷についてメールで質問を受けたAppleの上級副社長、フィル・シラー氏は、そうした傷はアルミ製品では正常なことだと答えたと伝えられている。
この水準をめぐり、品質管理担当者と製造担当従業員の間でトラブルが発生し、複数の品質管理担当者が負傷した。品質管理担当者らが工場幹部に問題を報告したところ、幹部はそれを無視したので、全品質管理担当者がストライキを決行し、製造ラインが停止した。
日本時間の6日現在、この件に関するFoxconnあるいはAppleからの発表はない。
変更履歴:「フレームとバックカバーの0.02ミリの傷も許されない」を「0.02ミリのへこみも、フレームとバックカバーの傷も許されない」に修正しました。[2012/10/07 13:00]
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