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「ブラよろ」2次利用フリーで「すごいことになった」 100万人超の読者獲得、「紙のコミックスに匹敵」

「ブラよろ」2次利用フリー化から1カ月。50件以上の2次利用が行われ、100万人超の新規読者を獲得した。有料配信している続編の売り上げも増加。今後も100件以上の案件が公開される見通しだ。

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「漫画 on Web」で公開されているブラックジャックによろしく

 漫画家の佐藤秀峰さんはこのほど、「ブラックジャックによろしく」の2次利用フリー化から1カ月経った結果をブログで報告した。事後報告のあった2次利用は50件以上。「新規で作品に触れてくださった方はどう少なく見積もっても100万人超えは確実」で、同作品を配信している電子書籍配信サイト「漫画 on Web」の売り上げも増加。今後も100件以上の2次利用案件が公開される見通しという。

2次利用50件以上 効果は「紙媒体のコミックス版に匹敵」

 佐藤さんが同作品の2次利用を自由化したのは9月15日。「従来の著作権を振りかざして利益を得る方法は段々と古くなっていくはずです」として、自作を2次利用フリーとすることで「どのように作品が拡散し、利用され、著者に利益をもたらすのか、もたらさないのか、その調査をしたい」としていた(「ブラックジャックによろしく」が2次利用フリーに 商用・非商用問わず自由に利用可能)。

 2次利用の利用規約で事後報告を求めており、これまでに50件以上が報告されている。30近い電子書籍サイトで無料配信され、20近くのWebサイトでイラストが利用されたほか、新聞広告にも活用。同作品をモチーフにしたゲームなど、スマートフォンアプリも複数登場し、全巻無料で読めるiPhoneアプリはApp Storeの無料アプリランキングで総合1位を獲得。公開から1週間で36万ダウンロードを超えたという。「あの伸び方だと50万ダウンロード超えは間もなく」と佐藤さんはみる。


画像 全巻無料のiPhoneアプリ。開発者のSusumu Hoshikawaさんが公開
画像 新聞広告は佐藤さんが「最高ですね〜」と絶賛

 「2次利用フリー化以前とは、明らかに違う規模の読まれ方をしている印象」という。Twitterで「ブラックジャックによろしく」を検索すると、アプリで読んでいる人などによるつぶやきが多数表示されるのは、「今までになかった現象」だ。

 アプリのダウンロード数や、報告のあった閲覧数、漫画 on Webでの閲覧者数を加えると、「新規で作品に触れてくださった方はどう少なく見積もっても100万人超えは確実」と佐藤さんは推定。「全巻累計では1000万〜2000万回は閲覧されるのでしょう」とみている。「数字だけで見れば紙媒体のコミックス版に匹敵するか、それを超えそうな勢いです。10年前の作品がたったの1カ月で」

「漫画 on Web」からの収入、執筆活動維持できそうな水準に

 2次利用に伴う著作権収入などはないが、「漫画 on Web」の閲覧数が3〜5倍に増加し、続編「新ブラックジャックによろしく」などほかの著作の売り上げが「非常に良いペースで伸び、ここ数日さらに加速している」という。売上額は、「毎日5万円以上」で、「企業として考えれば小さな数字かもしれませんが、これが維持できれば雑誌媒体で活動せずとも、なんとかそれだけで執筆活動を維持できそうかな?という所までは来ました」と佐藤さんはつづっている。

 2次利用フリー化に合わせて開催した原画展は、「原画を販売することで製作費を捻出できないか」という試みでもあったが、1枚当たり12万円程度で売れ、合計100万円以上の売り上げがあったという。今後、クラウドファンディングで資金を募り、さらに地方での原画展を開催できないか計画中だ。

さらに100件以上の2次利用 海外からも

 佐藤さんには2次利用に関する問い合わせが次々に寄せられており、「これから公開されるであろう2次利用案件は軽く100件を超える予定」という。来月には書籍版がコンビニに並ぶことが決定しているほか、映像化やドラマ化の話も、企画段階ながら複数寄せられているという。また、海外からの問い合わせも増えているという。

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