「BASICの海へ」──「MZ-80」伝説のマニュアル、シャープが公開 Twitterがきっかけ
往年の8ビット機「MZ-80」のBASICマニュアルをシャープがTwitterを通じて公開。イラストを多用して分かりやすく解説されており、「当時の熱意みたいなのをいっしょに感じてもらえたらいいなと思います」と同社。
「ようこそBASICランドへ」「BASICの海へ、いざ出帆」「DATAさん、お手をどうぞ、READより」──往年の8ビット機「MZ-80」のBASICマニュアルをシャープがこのほどTwitterを通じて公開した。イラストを多用してBASICについて説明する楽しい内容で、当時のコンピュータ少年が熱中した伝説の本だ。「当時の熱意みたいなのをいっしょに感じてもらえたらいいなと思います」という同社からの「ささやかなクリスマスプレゼント」となっている。
公開されたのは「MZ-80 SERIES SYSTEM PROGRAM」と「MZ-80 SERIES BASIC解説」の各PDFファイル。1978年に登場したMZ-80のシステムプログラムとBASIC(SP-5030)を解説している。
BASICのマニュアル「MZ-80 SERIES BASIC解説」は豊富なイラストと分かりやすい文章で知られ、表紙のカラーから「オレンジブック」とも呼ばれた1冊。「天才アルキメデスと謎の兵隊」(三角関数)、「こちらはINPUT、返事がほしい!」(INPUT)などBASICの基礎の解説から始まり、各種リファレンスまで網羅されている。パーソナルコンピュータに初めて触れるユーザーに、プログラミング言語であるBASICを分かりやすく伝えるために知恵を絞ったことがしのばれる内容だ。
それぞれの表紙に描かれているのはMZシリーズのシンボルだった「アルゴ船」。ギリシア神話の英雄たちが冒険を繰り広げたこの船をあしらったことについて、「この星座のシンボルは若者ののった船。勇気、未来、探求、そして憧れといったものをあらわす帆船だ。若者の船のように、MZ-80クリーンコンピュータが船出するのはもうじきのこと……。あなたの夢とそんなふうに出会うため、シャープオリジナルのアルゴ船のマークをかたどってみました」と説明されている。
以前から復刊の要望もあったこの本の公開が実現したのは、シャープの電子書籍ストア「GALAPAGOS」の公式Twitterアカウント(@SharpGalapagos)によると、Twitterで寄せられた意見がもとになっているという。同アカウントは「電子化する際の権利関係の処理時間が掛りましたが、とても良い経験でした」と振り返っている。
同社の公式アカウント(@SHARP_JP)は「はっきり言って人を選ぶので、ちょっと恐縮なのですが…ささやかなクリスマスプレゼントがあります」「MZ-80の取説…当時を知っている方はもちろん懐かしさと…フーンなにそれ?という方も一度ご覧になって、当時の熱意みたいなのをいっしょに感じてもらえたらいいなと思います」と紹介。「それもこれもあれもこれも…みんなツイッターがきっかけです」とユーザーに感謝している。
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