NECは7月31日、スマートフォンの新規開発を中止し、現在販売中の機種をもって生産・販売を終了すると発表した。従来型携帯電話機(フィーチャーフォン)やタブレットの開発は継続する。
スマートフォンからの撤退理由を「競争力の維持・強化にはスケールメリットが重要だが、出荷台数は減少傾向にあり、今後の業績改善を見通すことが難しくなった」と説明している。利用中の製品の保守には引き続き応じるという。
今後は経営資源を社会ソリューション事業に集中。携帯電話事業で培った無線通信や端末開発、ヒューマンインタフェースなどに関する技術・ノウハウを同事業に導入して強化するとしている。
携帯子会社のNECカシオモバイルコミュニケーションズの従業員は、フィーチャーフォンなど継続事業に従事する従業員を除き、社会ソリューション事業を中心に再配置する。
同社は7月17日、日本経済新聞による「NEC、スマホ撤退へ レノボとの携帯統合見送り」という報道を受け、「決定した事実はない」とコメントしていた。
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