ピント合わせは撮った後でも──2眼式で実現するスマホ用カメラモジュール、東芝が開発
撮影後でもピント合わせが可能になるカメラモジュールを東芝が開発。2個のCMOSセンサーで被写体との距離を計測して、撮影後にピント合わせやぼかしなどの加工を可能にする仕組みだ。
東芝は、写真撮影後のピント合わせが可能になるカメラモジュール「TCM9518MD」のサンプル出荷を来年1月に始める。2つ搭載するカメラで撮影と同時に被写体との距離を計測。撮影した画像に距離情報を付与することで、任意の場所へのピント合わせやぼかしなどの加工が可能という。来年4月からの量産を計画している。
1/4インチ500万画素のCMOSセンサーを搭載した2個のカメラと独自開発の画像処理LSIを使い、広い撮影範囲の被写体にピントを合わせた画像(ディープフォーカス画像)を出力。同時に各被写体までの距離を計測・出力することで、撮影後に任意の被写体を選んでピント合わせを行なったり、ピントをぼかす・消すなどの加工・編集が可能だ。
レンズを動かしてピントを合わせるオートフォーカス機構とは異なるデジタルフォーカス方式のため、レンズの動作機構が不要で、シャッタータイムラグも減らせるという。
2個のカメラで撮影した画素情報を画像処理LSIで処理することで1300万画素出力も可能。1300万画素カメラモジュール1個よりも薄くなり、搭載機器の薄型化に貢献できるとしている。モジュールサイズは8.0×12.0×4.65ミリ。
光学系ハードウェア技術と高度な画像処理を用いて、従来のカメラでは不可能だった画像を作り出す「コンピュテーショナルカメラ」の開発が進んでおり、米ベンチャーが撮影後にピントを合わせることができるカメラ「Lytro」を発売している。東芝は新製品を高解像度なコンピュテーショナルカメラを支えるモジュールとして展開し、スマートフォン/タブレット向けCMOSセンサーの売り上げ拡大を目指す。
サンプル価格は5000円。量産は来年4月から、月産50万個規模で計画している。
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