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慶大、東大ら8大学、大学図書館での電子書籍利用を合同調査
慶應義塾大学など8大学が合同で、電子書籍の総合的な実証実験を実施。大学図書館における電子書籍利用イメージを明らかにするのが狙い。
慶應義塾大学など8大学は合同で、学内における電子書籍利用に関する実証実験を12月末まで3カ月間にわたって行う。複数大学での合同実験は日本初という。大学図書館における電子書籍利用イメージを明らかにし、日本語学術書の電子化促進につなげる狙い。
8大学は慶大のほか、大阪大学、神戸大学、東京大学、名古屋大学、奈良先端科学技術大学院大学、福井大学、立命館大学。
専用アプリが搭載されたiPadなどを学生に貸与し、利用データ、専用アプリの評価、読みたいコンテンツ、デバイスによる利用法の違いなどをアンケートやインタビューで調査する。各大学で10〜20人程度募り、従来の同様の実験とくらべて8〜10倍の規模となる計画だ。「電子書籍は1冊の通読よりも部分利用に向く」「紙と電子書籍では利用する目的や場面で使い分けが起こる」といった仮説の検証・精査に役立てる。
全文検索機能や外部の購入サイトとの連携など、電子書籍の利用促進につながるナビゲーションシステムの検討や、電子教科書の提供・利用実験、紙の書籍を含む図書館全体の貸し出しログの分析による大規模コンテンツニーズ調査なども行う。
8大学の共通項に着目し、大学図書館全体における電子書籍の利用イメージを明らかにするのが狙い。日本語学術書の電子化促進と学生の求めるサービスの実用化に向けて、調査結果やデータは出版社との話し合いなどに活用するという。
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