大雪被害の山梨、地元紙が紙面をネット公開 甚大な被害伝える 「雪捨て場はここ」――首長がTwitterで情報発信も
甲信地域など大雪被害にあった各地の状況がネットからも伝わってくる。山梨県では地元紙が記事の一部を無料公開。長野県の佐久市長は、Twitterを情報発信・収集にフル活用している。
2月14〜16日に東日本を襲った記録的な大雪による影響で、交通網が寸断されるなど被害が続いている。被災した現地の状況は、新聞やテレビなどマスメディアだけでなく、現地に住む人のTwitterやブログからも生々しく伝わっているほか、地元紙が記事の一部を無料公開したり、県が被害状況をWebサイトで公開するなどしており、ネット上でもさまざまな情報を確認できる。
宇宙からとらえた大雪 甲府盆地は真っ白に
お天気サイト「tenki.jp」では、「大雪を宇宙からとらえた」という見出しで、気象予報士の関口元朝さんが、関東甲信地方の17日午後1時ごろの衛星写真を公開。「甲府盆地は雪で地形がわかるほどに白くなり、群馬県から多摩地方にかけても雪に覆われている」と指摘している。
大雪に見舞われた地域ではさまざまな影響が出ている。
山梨日日新聞は、15日から配達に遅れが出ているとし、15〜18日付けの紙面の一部(1面、第1、第2社会面)をPDFで無料公開。18日の一面トップは「13市町村 1800世帯孤立」という見出しで、交通網のまひ状態や孤立世帯、県内のビニールハウスの倒壊状況などについて伝えている。
同紙の公式Webサイト「Miljan」上では、交通情報や避難所情報、スーパーやコンビニなどの営業予定を随時更新。更新情報はTwitter「@sannichi」でも受け取れる。
山梨県の公式サイトでは、交通機関の運行状況や、災害対策本部がまとめた地域別の被害状況などを随時発信。また、「Google災害情報マップ」を使えば、過去4時間に通行実績がある道路を確認できる。
「雪捨て場はここです」 被災地域の首長がTwitterで情報発信
被災地域の首長がTwitterで情報発信する例も。大雪被害に見舞われた長野県佐久市の柳田清二市長は、Twitterで雪捨て場の情報を発信したり、孤立者情報を募るなどし、情報収集・発信にTwitterをフル活用している。
深刻な被害が伝えられているにも関わらず2月15日まで更新されず、批判を浴びていた首相官邸の災害情報Twitterアカウント「@Kantei_Saigai」と内閣府の防災アカウント「@CAO_BOUSAI」は、16日から更新を開始。総理の指示で豪雪非常災害対策本部を設置したこと、自衛隊の人員やヘリなどの体制を強化することなどを伝えている。
今回の大雪被害は、豪雪に慣れていない地域で被害が拡大しており、慣れない雪かきに体力・気力をすり減らす人が多い。除雪のコツを伝えるWebサイト「yukikaki.jp」(札幌市を拠点とした「ウィンターライフ推進協議会」が運営)は、雪かき道具の使い方や除雪のコツ、危険性などを詳細に解説しており、注目を浴びている。
関連記事
- 大雪被害の甲信地方、道路の通行状況を「Google災害情報マップ」で公開
大雪被害により不通区間の残る甲信地方の道路通行実績が「Google災害情報マップ」で見られるようになった。PC/スマートフォンでアクセス可能。 - 携帯3社、大雪の影響で通信障害相次ぐ 基地局が停止、自力復旧は困難
大雪や暴風の影響で広範囲にわたって発生した携帯電話大手3社の通信障害は17日も続いた。一部で回復した地域もあるが、雪のため人が入れない山間部などで影響が残る。 - 消えた建物、荒れた大地――Google、フィリピン台風被災地の衛星写真公開
Googleがフィリピン台風の被災地の衛星写真を公開。被災前の写真と比べると、建物の屋根や青々と茂った植物が消え、大地がどす黒く染まっている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.