浦和レッズ試合中の差別的横断幕、ソーシャルメディアで批判広がる
浦和レッズの試合会場に差別目的とみられる横断幕が掲げられた問題はTwitterなどソーシャルメディアを通じて伝わり、クラブ側の対応への批判もソーシャルメディア上で広がっている。
Jリーグ・浦和レッズの公式戦で差別目的とみられる横断幕が会場の埼玉スタジアムに掲げられた問題は、Twitterなどソーシャルメディアを通じて伝わり、即時撤去しなかったことなどクラブ側の対応への批判もソーシャルメディア上で広がっている。
問題が起きたのは、浦和のホーム開幕戦となった3月8日のサガン鳥栖戦。浦和サポーター席へ入るゲートに「JAPANESE ONLY」と手描きされた横断幕と日の丸が掲げられていた。奥には旭日旗もあったという。
試合は午後4時にキックオフ。浦和の説明によると、午後5時ごろ、警備会社のスタッフと、ソーシャルメディアで情報を知ったクラブスタッフからの報告で判明。午後5時9分に「速やかに撤去するよう指示」したという。だが従来、横断幕を撤去する場合は「トラブル防止のため」、当事者と合意した上で撤去するとしており、「試合中だったため」として、最終的に強制的に撤去したのは午後6時4分だったという。
横断幕の写真は現地で観戦していたサポーターのTwitter投稿などを通じて広がり、「スタジアムで応援した裏でこんなことがあったとは情けない」といったサポーターの反応もあった。浦和DFの槙野智章選手は試合後、「今日の試合負けた以上にもっと残念な事があった…。浦和という看板を背負い、袖を通して一生懸命闘い、誇りをもってこのチームで闘う選手に対してこれはない。」と横断幕の写真とともにツイート。2万1000回以上リツイートされている。
浦和は同日夜、公式サイトに「サガン鳥栖戦での出来事について」という報告を掲載。「今回の出来事につきましては、事実確認のうえ適切な対応に取り組んで参ります」としたが、具体的な報告がなかった。このためTwitterではサポーターらから批判が相次ぎ、「差別の最大の抑止は一人一人の心にあると考えております」というクラブ側のコメントに対し「当事者意識のかけらもない」と苦言が呈されていた。報告は10日の時点で2400回近くツイートされている。
クラブ側は9日には「第2報」として当日の具体的な様子を報告。横断幕を掲げた人物から事情を聴いており、改めて報告するほか、今後は「明らかに差別的で不適切であるとクラブが判断した場合」は横断幕などを撤去をするとした。今回の事件を「極めて深刻に受け止め、差別的な発言などに関する対策をより強化していく」として、次回のホームゲームまでに具体的な対策を実施するという。
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