ドコモ「カケホーダイ」の狙い──値上げになるケースも?(2/2 ページ)
ドコモが音声定額「カケホーダイ」など新プランを発表。スマホ普及が一巡する中、音声ARPUを向上や既存ユーザーの回線追加を狙う。ただ、データ中心で家族割を利用していないユーザーにとっては値上げになる可能性も。
家族重視の「パケあえる」 1人暮らしのデータヘビーユーザーは値上げに?
パケット通信のデータ通信量を家族間・同一法人間などで分け合える料金プラン「パケあえる」と、割引プランも発表した。家族に長期契約ユーザーや25歳以下がいたり、家族間でデータの利用料に凸凹がある場合はメリットが大きく、「基本的には家族で分け合っていただく」(加藤社長)プランとなっている一方で、1人暮らしでデータ通信がほとんどのヘビーユーザーは値上げになる可能性が高い。ただし個人でも複数台で共有できるため、2台以上を運用している場合は従来より安くなる場合もある。
家族でシェアできるプランは容量によって4種類。最安の「シェアパック10」は家族で10回線まで10Gバイトを共用でき、料金は月額9500円(税別)。1人でシェアできるプランも用意し、2Gバイトの「データSパック」が月額3500円(同)、5Gバイトの「データMパック」が月額5000円(同)。1カ月のデータ量を超えると128Kpbsでの通信(無料)となり、速度を戻す追加オプションは1Gバイトを1000円で購入できる。
割引サービスとしては、長期ユーザー向けに、パケットパックを最大月額2000円割り引く「ずっとドコモ割」、25歳以下の契約者に26歳まで基本プランの料金を月額500円割り引き&データ通信量を月間1Gバイトプラスする新割引サービス「U25応援割」を用意した。
一方で、1人暮らしで毎月データをヘビーに使っているユーザーは、既存のパケット定額プラン最上位「Xiパケ・ホーダイ フラット」のほうが安くなりそうだ。Xiパケ・ホーダイ フラットはデータ上限が月間7Gバイト(7Gバイト超過後は2Gバイトごとに2500円)で5700円。新プランの1人向けで7Gバイト使うと7000円(5Gバイト5000円+2Gバイト2000円)かかることになり、既存プランのほうが1300円安い。
「1人での複数台使い分けや、家族での新端末追加を簡単にできるようにしたい」──加藤社長は狙いを語る。1人暮らしのユーザーに不利ではという質問に対しては、「1人でも複数端末でシェアしてもらいたい。U25応援割で、25歳以下を応援する概念も付け加えた」と述べた。
一連の新料金プランは、「当初は収入の減少要因になる」が、音声・データともリッチに利用してもらうことで、同社が掲げる「スマートライフ」を加速させたいと加藤社長は話している。
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