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1巻で185Tバイト・従来の74倍 ソニー、次世代大容量磁気テープ開発
従来より細かい磁性粒子を生成する新技術により、1巻あたり185Tバイト以上とこれまでの74倍のデータ記録が可能な次世代磁気テープをソニーが開発した。
ソニーは4月30日、世界最高の面記録密度となる次世代磁気テープ技術の開発に成功したと発表した。データカートリッジ1巻あたり185Tバイト以上と、現在最高のLTO6(2.5Tバイト)と比べ約74倍の大容量データの記録が可能になる。
現在のテープストレージメディアは、磁性粉をフィルム上に塗布するタイプが主流で、高密度化のためには磁性粉をより細かくする技術の確立が課題だった。
同社は、より細かい結晶粒子を形成できる真空薄膜形成技術を開発。今回導入したスパッタ法では、厚さ5μメートル以下の樹脂フィルム上に、粒子の配列が整った状態で多層に膜を形成する。
磁性粒子の大きさのばらつきが高密度化の課題と定め、なめらかな膜を生成することで表面の荒れや結晶の乱れを抑え、均一な結晶成長を可能に。従来数十ナノメートルだった磁性粒子サイズを平均7.7ナノメートルまで細かくすることに成功し、面記録密度は148Gビット/平方インチと世界最高を記録した。
成果は、記録密度の測定評価に協力した米IBMと共同で国際磁気学会2014(ドイツ・ドレスデン)で発表する。
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