KADOKAWA、「妹ぱらだいす!2」自主回収 都の青少年育成条例による不健全図書指定受け
都の改正青少年育成条例に基づき不健全図書指定された「妹ぱらだいす!2」をKADOKAWAが自主回収していることが分かった。
東京都が改正青少年育成条例の新基準に基づき不健全図書に指定した漫画本「妹ぱらだいす!2」を、発行元のKADOKAWAが自主回収していることが分かった。同社は「書店の混乱や手間を回避するため」と説明。異議申し立てなどは未定としている。
18禁ゲームのコミカライズ版として、3月下旬に全年齢向け書籍として発売。12日の都青少年健全育成審議会が同書について「著しく社会規範に反する性交等を、著しく不当に賛美し、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を著しく妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがある」と答申したのを受け、都は16日付けで不健全図書に指定した。2011年に施行された同条例の新基準に基づく指定は初めて。
KADOKAWAの広報によると、都の発表後、指定日の16日を待たず、翌13日には書店に自主回収を求める通知を出したという。Amazon.co.jpでの書籍/電子書籍の販売もすでに停止しており、16日夕方には商品販売ページが削除された。オークションサイトでは定価の数倍の値で入札されている出品もある。
指定図書は18歳未満が購入・閲覧できないよう成人コーナーに移動するなどの対応が書店に義務付けられるが、ゾーニングではなく自主回収に踏み切った理由として「販売現場での混乱や手間を回避するため」と説明している。
指定に対しては出版社側からの異議申し立てが可能になっているが、年齢制限を加えた上での再販売なども含め、「現時点では未定」。今後の同条例に見合う対策は「これから検討していく」という。
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